
足首をコントロールする足首サスペンションを動かしているものを個人的に「マシュマロ筋」と呼ぶことにする。
360度あらゆる方向にしなやかに曲がり、全身を水平に保つために始終働き続けるのがこのマシュマロ筋。
シューズを履いていると衰えてくるのもこのマシュマロ筋。
その昔、日本が高度経済成長を遂げ始める頃、人々の暮らしはまだアナログ中心で、生活の中にもゆったりまったり感があった時代。
日本人は本来和式トイレでしゃがむ姿勢で用を足していた(男性は大をする場合)。
この、和式トイレでしゃがむ姿勢が実は大事。マシュマロ筋が使われているのだ。今の子供たちはこの姿勢が取れない子が多いのだとか。洋式トイレが当たり前になってくると当然のこと。
そして、かつての日本ではちゃぶ台なるものがあって、今でもアニメの「サザエさん」とか「ちびまる子ちゃん」の食卓がこれではなかっただろうか?
畳の上で正座して座る、この姿勢でもやはりマシュマロ筋は機能している。和式トイレでしゃがむのとは全く反対の方向に足首が折れているのにお気づきだろうか。
今の時代、正座をする人はいないだろうし、正座をする機会はほとんどない。武道や日本の古典芸能(落語、歌舞伎、狂言など)や書道・茶道・華道などを嗜む者くらいのものであろうか。
最近の日本では和室もない家が結構多いのだとか。マンション暮らしをしている方々などのところではそうかもしれない。和室(=畳のある部屋)がない。
したがって、現代の日本人は、畳に布団を敷いて寝るのではなく、ベッドの上で寝るし、座布団の上に座るのではなくカウチやソファの上に座る。ちゃぶ台で正座をして食事をするのではなく、食卓で椅子に座って食事をする。
歩くこともせず車で移動するし、階段を使わずにエレベータやエスカレータに乗る。最近の高校生は自転車通学をする際に電動アシスト自転車に乗っているというのも驚きだ。
日本の文化や生活習慣はどんどん欧米化して、古き良き伝統や習慣は消滅しつつある。それに伴い、私たちの生活様式もガラッと変わり、身体的機能も変わってきている。人は本来楽をしたがる動物である。一度楽を覚えると、苦労をすることは自然と避けてしまうようになる。
個人的には、こう言った一見便利に見える暮らし・生活様式が日本人を退化させているという風に考えているけれど、それなりに自分らしく対策を考えておかないとカラダだけでなくココロまでも劣化して行くに違いない。
さて、話をマシュマロ筋に戻そう。
ここまで話した内容で、気づかれた方は、歩く、階段を使う、和式トイレを利用する(探すのが大変かも)、正座をする…こう言った昔の日本人の暮らしをできるだけ復活させてみるといいだろう。少しでもできることを続けて行くことが大切だ。
他にも私個人が考えてやっていることを紹介してみると…
サークルランや8の字ランは転倒に気をつけて…。足首をいろんな角度に動かして刺激を与え続けよう。
足首を動かす動きも様々…前後だけでなく左右にも。シューズで平坦な舗装路を歩いているだけではマシュマロ筋はほとんど使われることがない。
不整地というのはやはり足にとってもいい刺激になる。山のトレイルをシューズではなく、裸足やサンダルなど路面の感触をダイレクトに感じられるもので移動するのが望ましい。底の厚くて硬い登山靴などはマシュマロ筋を退化させてしまうものと言っていい(あくまで個人の感想です)。
その他、私個人が考えて実践しているものがこちら…
*「アドヴェンチャー・ランナー高繁勝彦のランニング道場(YouTube再生リスト)」
ランナーの故障が多い原因は走りすぎもあるのかもしれないけれど、カラダの使い方に無理があったりするということもあるのだろう。
1980年代にストレッチやウェイトトレーニングが普及し出して、もちろんそれらが悪いというつもりは毛頭ないが、やり方を間違えてカラダにとってマイナスになっているという現実もあり得る。
カラダは全てつながっているから、バラバラな動きをしていては意味がない。
走るとか投げるとか跳ぶといった動きはスポーツする際の基本的な動きだが、手足や腕、足腰、カラダの全てのパーツが連動することによって完成した動きにつながってくる。
一つの動きの中で、カラダの個々のパーツがどう動くべきなのか、そう言ったことを常に頭に入れておくことが大切だし、頭だけで考えてもカラダが動かなければ意味がない。頭で考えるよりもカラダとハートで感じるものを重視したい。
*YouTube動画リスト:一本歯下駄〜One-Tooth Geta
*一本歯下駄の購入はこちらで…
*ライター:
株式会社GETTA認定アンバサダー
「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」を走るアドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦