2020
12.02

一本歯下駄で走ることについて一本歯下駄ランナーが語ること

高繁勝彦ブログ

朝のお勤め、一本歯下駄ランニング

一本歯下駄ランナーは一本歯下駄で走る。

「なぜ一本歯下駄で走るの?」と聞かれても「じゃ、なぜ一本歯下駄で走らないの?」と逆に聞き返してしまいそうになることもしばしば(笑)。

一本歯下駄がカラダの一部と化してしまった…というような洒落た返答も可能かも知れない。

とにかく楽しいのである。面白いのである。

シューズでしか走らないランナーにはきっと永遠に理解できないであろう。

裸足やワラーチ、マンサンダルなどシューズ以外の手段で走るランナーなら少しは理解できると思う。

路面と足の間にあるスペースに何を持ってくるか?

私自身、これは壮大なレベルのジグソーパズルの最後のピースを埋めるより重要な問題であると確信している。

裸足なら何も悩む必要はない。ダイレクトに路面に足を置くだけで余分なものを持ってくる余地もないからだ。

シューズという密室に足を閉じ込めるという野蛮な行為は許しがたいというランナーだってきっといるはずだ。

一本歯下駄を履き始めた7年前、シューズで平坦なアスファルトの道を走っているだけではわからなかった(気づくこともなかった)事実を知ってしまったから、今や一本歯下駄は私のメインフットウェア。

本来、二本の脚で移動するということだけでも不安定な人間という存在。

そんな不安定さにさらに輪をかけて二本脚で立つことすら不安定にしてしまうのが一本歯下駄。

しかし、物事を単純に考えてみよう。

子供の頃、自転車という乗り物に初めて乗れるようになった時のことを思い出してみて欲しい(自転車に乗ったことのない人には申し訳ないけれど)。

二つの車輪の自転車に跨ってペダルに足を乗せる…その状態で静止し続けるのはなかなか難しい。なのに、ペダルを踏み出せば自転車はスイスイ前に進んでいく。

「何これ…!?」というあの感動と感激。

私を含め一本歯下駄ランナーも、初めて一本歯下駄を履いて歩き出した時に、そんな思いを感じたのではあるまいか。

不安定であるがゆえにカラダが自然と安定を求めていく。

不安定と安定の狭間にいることを楽しんでいるのが何か不思議なくらい楽しくなる。

数年前から一本歯下駄で山に入るようになった。

より不安定でリスキーなシチュエーションを、一本歯下駄とカラダが勝手に求めるようになるのである。

まるで、スリルを求めて冒険をする冒険家のように。

あるいは、勝ち負けそのものよりも、勝つか負けるかわからないワクワクドキドキ感を楽しむギャンブラーのように。

人は本来、安定よりも不安定を求める存在なのだ…と勝手に解釈してみたり…。

走り始めて今年で35年。既に、一本歯下駄を履く以前の自分とその走りをすっかり忘れかけてしまっている。

昨日も一本歯下駄で走った。今日も一本歯下駄でゆったりまったり走っている。明日もきっと一本歯下駄で走るだろう。走るに違いない。

特に最近、一本歯下駄で「走る」と言わず、「駆ける」という表現を好んで使っている。

シューズでは「走る」なのだろうけれど、一本歯下駄では「走る」というのはどうもふさわしくないと感じるのだ。

修験者たちの修行「奥駈け」では「駈ける」という表現を使っているが、それとは少し違ったニュアンスを持たせるべく「駆ける」を使うようにしている。

あまり科学的なことにはこだわらない。

100パーセント文系人間の私には、科学的・医学的な理論や理屈は時として重いものを感じる。

ただ、感覚、感じるものをひたすら大切にしたい、それだけである。

一本歯下駄をトレーニングに使っている方々の中には、筋肉の名前など難しい言葉をやたら使われる方もおられるけれど、正直私はそういうのは得意ではない。

一本歯下駄を履いてみて、一本歯下駄で走ってみて、感じるものがすべてである。

一本歯下駄を履いたその人が感じ取るものが正解である。

ここに書いたことも私個人が感じるものを言葉にしただけである。

私の世界では、五感でとらえられたものはすべてメッセージ。

ナチュラルに、ありのままあるがままを受け入れて、それをこの世界にフィードバックする。

一本歯下駄はそのためのツールであるということだ…知らんけど(笑)。

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*ライター:

ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、

「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」を走るアドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦

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