一本歯下駄で走りながらつくづく思うこと…シューズで走る機会がだんだん減ってきて、一本歯下駄はもちろん、ワラーチ等のサンダルや裸足で走ることが多くなってきた。
本当ならずっと山を走っていたいのだが、そう頻繁に山ばかり走れない。
それで、近隣の公園や、できるだけ自然の多いところを走っている。
アスファルトを走るのはやはり性に合わない。芝生や土の上があまりに心地よいからだ。
一本歯下駄で走るというのは普通のランニングとはかなり異なる。
1300年も昔、修験者と呼ばれる人たちが山を駆けていた…それも一本歯下駄で…。
過去の記事でも書いたが、当時は「走る」という概念すらなかったのだろう。山から山を素早く移動することが目的だったからだ。
ひたすら山を登っては下りながら、移動し続ける手段として一本歯下駄があったということだけは確かなこと。
「早駆け」と言われるのは、できるだけ無駄な力を使わず、山を登り下るものと考えていい。そこで求められるのはしなやかな體の使い方と脚(足)の動き。
凸凹だらけの山道を転ぶことなく、バランスを保ちながら重心を安定させて進んでいくのは並大抵のことではない。
心を凪の海のようにして、體はそびえ立つ山のように不動の状態。
一本歯下駄で黙々と移動し続ければ、早く走ることさえ意識する必要もなくなる。
移動する過程にあるものを五感で楽しみつつ、前へ前へと…。
感性のチカラが働けば、心・體が魂とひとつになって、あらゆるものから解き放たれた存在になれそうな気がする。
長い間山から遠ざかってしまった。
金剛葛城の山並みを毎日見ながら走りつつ、ずっとずっと山に入りたいと思っていた。
山が呼んでいる。そろそろ山に向かう時だ。
*YouTube動画リスト:一本歯下駄〜One-Tooth Geta
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*ライター:
株式会社GETTA認定アンバサダー
「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」を走るアドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦
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