一本歯下駄を履いて不整地を歩こう

一本歯下駄で歩くのは楽しい。

街を歩いていてもそれなりに楽しめる。街行く人の視線を集めながら、威風堂々と歩けば愉快な気持ちになれる。

ただ、そういうことも当たり前になってくると、刺激が足りなくなってくるもの。

人は常に進化するものだし、ありきたりの刺激で満足できなくなってきたら人はさらなる刺激を求めたがるもの。

一本歯下駄ランナーはフルマラソンを走り、やがて100キロを目指す…とはいえ、100キロの壁は厚い。

100キロどころか10キロを制限時間内に走るのもたやすいことではない。走らない人にとってはわずか1〜2キロという距離も大変過酷なものにもなりうる。

距離を気にせず歩くなら誰にでもできる。

 

本当の一本歯下駄の面白さを満喫するのであれば、やはり不整地を歩くことだ。

前回の「足裏センサーと足首サスペンションを鍛える」にも書いたが、オフロードのトレイルは刺激がいっぱい。

自然歩道と呼ばれるようなハイキングルートや登山道を歩いてみよう。

人が多く入る山道なら踏み固められていて歩きやすい。

そんなハードな山道でなく、誰もが楽しめるような山がいい。案内標識もあって道に迷う事のないところを選ぼう。

ただ、気をつけなければいけないことがいくつかある。

 

今年5月末に金剛山で行われた修験者’s Trail Walk

 

1)安全最優先

最終的には自己責任となるのだろうが、自分が怪我をしないことはもちろん、周りにいる人達に迷惑がかかることのないように配慮されたい。

 

転倒しやすい場面はいくつもあるが、小石や木の幹、がれ場、苔の生えたところ…一見大丈夫そうに見えても予期せぬ危険はどこにでもあるもの。

特に用心しないといけないのは下り道。危ないと思ったら迷わず一本歯下駄から降りるつもりで。

歩けるところだけ一本歯下駄で歩けばいい。徐々に慣らしていけばいずれはどんな路面でも歩けるはずだから。

いきなり山やトレイルに入る前に、近くの公園や河川敷など地道で練習することをオススメしたい。斜面を降りるのは登るよりも怖いもの。階段の昇り降りで練習してみよう。

 

2)装備

ヘルメットや肘・膝にパット入りのサポーターをつければいざという時に体を守ってくれる。

転倒した際に備えてグラブもあった方がいい。トレッキングポールや杖があるだけで歩きやすさは向上する。

万が一一本歯下駄で進めなくなったら、シューズやサンダルが必要となる、そんな場面も想定しておこう。

 

3)歩き方

全身をリラックス。怖いと思った時に人の体はフリーズして固まる。気持ちはゆったりまったり。あせらずあわてずあきらめず。

体がガチガチになっているようだったら、平地で一本歯下駄を履いてその場ジャンプ。体をほぐすといい。

転倒する際には重心が体の後方に来ることが多い。いつも足の指の付け根(趾:あしゆび)に意識を置こう。

登りではある程度前傾姿勢でオッケーだが、下りはいくぶん重心が後ろに来るものの、足の指をやや上向きに、土踏まずからかかとにかけて意識を置く。

これは、後ろ歯一本歯下駄(MUSASHI)を履いた感覚と似ている。

平地を歩くのに比べて、重心がブレないように、いつも力は臍下丹田に。姿勢は自然体。深呼吸して、背筋が伸びると腰が立つ。その時、尻の穴はすぼめて、腸骨筋と大腰筋が安定した状態になる。

ふだん一本歯下駄を履いて前に歩くことしかないのだろうが、見通しのいい平らな場所で後ろ歩きしたり、左右に横歩きしたりすると体の使い方がよく分かる。

また、一本歯下駄の歯の左右の角(かど)で一点立ちしてみるのもいい。スキーで滑る際にパラレル姿勢というのがあるが、膝を軽く曲げて、両スキーの左か右の片側のエッヂで立つあの感覚だ。足首と膝、腰のしなやかさが求められる。

またはボーゲンの姿勢をイメージして、両脚をO脚気味にして一本歯下駄の内側の歯で立つ感覚も練習してみよう。

頭でイメージしているだけではなかなか難しい。まずはフィールドに飛び出そう。現場で経験したことが知識となり体が覚えてくれるはずだから。

 

大阪府富田林市にある錦織(にしこおり)公園のトレイルで早駆け

ご希望があれば、一本歯下駄トレイル早駆け講習会(バランス感覚を磨くワークショップ)をやります。

お知らせください。

勝彦高繁

走る旅人:アドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 YAMAN...

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