デルサルトシステム:ルース・セント・デニスと近代ダンスの身体理論的基盤

ルース・セント・デニスが学んだデルサルトシステムは、単なる演技技法ではなく、19世紀フランスで生まれた身体表現の包括的理論体系であり、アメリカ近代ダンスの誕生における決定的な触媒となった。このシステムは「感情と身体の対応関係」を科学的に体系化しようとした西洋演劇史上初の本格的な俳優訓練プログラムであり、その影響は現代の身体文化論、現象学的身体論、さらには日本の舞踏理論との潜在的な接続可能性にまで及んでいる。

フランソワ・デルサルト(1811-1871)が創始したこのシステムは、キリスト教神学の三位一体論を基盤に、内的な精神状態と外的な身体表現が普遍的法則によって結びついているという「対応の法則」を中心に構築された。デルサルトは医学校で解剖学を学び、病院、教会、災害現場で人間の表情と身体動作を観察し続け、感情の発露には発見可能な法則性があると確信した。彼の思想は当時のフランスにおけるロマン主義と科学的実証主義の交差点に位置しており、「応用美学の科学」として数学的精度を持つ芸術理論を目指した。

デルサルトシステムの理論的核心:三位一体原理と対応の法則

デルサルトシステムの理論的基盤は**三位一体原理(Trinity Principle)と対応の法則(Law of Correspondence)**という二つの根本原理から構成される。

三位一体原理は、神の似姿として創造された人間が三つの統合された存在様態を持つという神学的人間論に基づく。デルサルトは人間を**生命(Life/身体的・感覚的状態)、精神(Mind/知的状態)、魂(Soul/感情的・道徳的・霊的状態)**の三つの位相から捉え、この三分法をあらゆる身体表現に適用した。

身体は三つの主要ゾーンに区分される。頭部は精神/知性のゾーン、胴体は魂/感情のゾーン、四肢は生命/身体性のゾーンである。この区分はさらに再帰的に細分化される。例えば顔面は、額と目(精神的)、鼻と頬上部(感情的)、口と顎(身体的)に三区分される。胴体は上部胸郭(精神/名誉)、中部胸郭(感情/愛情)、下部腹部(身体/欲望)に分かれる。

動作の三つの基本形態は、**求心的(Concentric:内向き・収縮・知的状態)、遠心的(Eccentric:外向き・拡張・身体的状態)、正常(Normal:均衡・霊的状態)**である。この三つの原形はさらに互いを借用して九つの組み合わせ(「九の和音」)を生成し、これは27、81へと展開可能である。例えば手の姿勢は九つの内在的態度を持ち、それが空間の立方体の六面に対する向きと組み合わさることで243以上の分類可能なジェスチャーを生み出す。

対応の法則は「あらゆる精神的機能に身体機能が対応し、あらゆる身体機能に精神的行為が対応する」という原理である。デルサルトは「ジェスチャーは心の直接的な代理人である」と述べ、内的感情状態と外的身体表現の間には発見可能な体系的相関関係が存在すると主張した。この法則により、身体の各部位は特定の意味内容を担う。**眉は「精神の温度計」、肩は「感情と情熱的生命の温度計」、親指は「意志の温度計」**である。例えば肩の挙上の度合いは感情の強度を示し、デルサルトは「『私は愛している、苦しんでいる、喜んでいる』と言う者が肩を動かさなければ、それを信じてはならない」と警告した。

デルサルトの理論構造:ゾーン理論とジェスチャーの文法

デルサルトシステムの技術的核心は、身体表現を体系的に分類・分析する精緻な文法体系にある。

三つの動作の秩序が基本構造を形成する。**対立(Opposition)**は二つの身体部位が同時に反対方向へ動く動作で、力と調和的均衡を表現する。古代芸術はこの対立の原理に基づき、例えば胴体が前傾すれば脚は反対方向へ動き、頭が前進すれば手は後退する。**平行(Parallelism)**は二つの部位が同時に同方向へ動く動作で、装飾的効果を持つか、弱さや屈服を表現する。**連続(Succession)**は身体の一部または全体を通じて流れる流動的な波動運動であり、最も重要な動作形式である。真の連続は中心から始まり外へ向かう動きで「善、真、美」を表現し、逆の連続(外から内へ)は「悪、虚偽、不誠実」を表す。この連続の原理は後に近代ダンス技法の基礎となった。

ジェスチャーの九つの法則がさらに詳細な表現原理を規定する。高度の法則は、ジェスチャーが行われる高さがその意味を決定すると述べる。高い位置は情熱の強度や軽薄な事柄を示し、低い位置は重要で真摯な事柄を示唆する。力の法則は逆説的な原理で、「感情が強いほど声は弱く、ジェスチャーは抑制される」と規定する。強度は平穏さと静けさを通じて達成され、音量や動作の大きさによってではない。順序の法則は表現の時間的構造を定め、ジェスチャーは常に言葉に先行しなければならない(優先の法則)。感覚への動作的反応が最初に来て、次に感情を描写するジェスチャー、そして判断、最後に言葉がジェスチャーを命名する。「ジェスチャーは『何?』と問い、言葉が答える」のである。

方向の法則は空間的意味を規定する。遠心的動作(前方へ)は能動的役割、伝達、与えることを示し、求心的動作(後方へ)は受動的役割、受容、内省、愛を示す。形の法則は三つの象徴的形式を定義する。直線は身体的・物質的、円形は精神的・知的(最も心地よい)、螺旋・曲線は道徳的・神秘的・霊的である。速度の法則は「ジェスチャーのリズムは動かされる質量に比例する」と述べ、大きな部位(胴体、脚)はゆっくり動き、小さな部位(目、指)は素早く動く。

目の表情の九つの分類は精密な感情分析を可能にする。目には三つの要素(視覚器官、瞼、眉)があり、眉の位置(求心的・正常・遠心的)と目の開き具合・方向の組み合わせで九つの基本表情(後に800以上の変化形に展開可能)が生成される。求心的な眉と求心的な目の組み合わせは「精神の争闘」(求めているが所有していない)を示し、正常な眉と正常な目は「受動性」を、遠心的な眉と遠心的な目は「驚愕/激情」を表す。

アメリカへの伝播:スティール・マッケイとジェネヴィーヴ・スタビンズ

デルサルトシステムのアメリカへの伝播は、**スティール・マッケイ(1842-1894)**という唯一のアメリカ人直弟子を通じて実現した。マッケイは1869年10月から1870年7月までパリでデルサルトに師事し、毎日レッスンを受けて詳細なノートを作成した。わずか5ヶ月後にはデルサルトの応用美学講座で共同教授を務めるほど進歩し、デルサルトは彼を「弟子以上の存在:真の正統な後継者」と呼んだ。

マッケイは1871年3月21日にボストンのセント・ジェームズ・ホテルでデルサルトに関する最初の公開講義を行った。この講義にはマサチューセッツ州知事、ボストン市長、ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー、ルイ・アガシーらが出席した。続いてハーバード大学(4月21日、ロングフェローが議長)、ニューヨークのスタインウェイ・ホール、ブルックリンで講義を重ねた。同時代の記録は、マッケイの実演を「表情の半音階」や、感情の段階を「平静から陽気、愚かさ、疲弊、完全な酩酊」、「精神的動揺から狂気」へと変容させる「驚異的な」能力として描写している。

マッケイは後にライシアム劇場学校を設立し(1880年代)、これはアメリカ演劇芸術アカデミー(AADA)、つまりアメリカ初の専門演技学校となった。彼はデルサルト原理の実践的な運動システムとして**「ハーモニック・ジムナスティクス(調和体操)」**を開発した。

しかし、デルサルトシステムを真に大衆化したのは**ジェネヴィーヴ・スタビンズ(1857-1934)**である。サンフランシスコ生まれのスタビンズはニューヨークで演技を学んでいた時にマッケイと出会い、2年間師事した。彼女は1885年に『デルサルト表現システム』(6版まで版を重ねた)を出版し、アメリカでデルサルトに関する最初の包括的な書籍を世に送り出した。

スタビンズの革新は、デルサルトの原理をスウェーデンのリング体操、医療体操(ジョージ・H・テイラー博士に師事)、さらにはヨガの呼吸法と融合させて「ハーモニック・ジムナスティクス」を発展させたことにある。彼女は「彫像ポーズ」を振付的移行を伴う連続的な動きへと発展させ、詩や物語を身体で表現するパントマイムを実践した。彼女のパフォーマンスは古典的なポーズ間の流動的な移行を創造し、これは後の「ポーズが別のポーズへ溶け込む」という近代ダンスの美学の先駆けとなった。

アメリカにおけるデルサルト運動の文化的変容

1880年代から1890年代にかけて、アメリカではデルサルト「狂騒」とも呼べる現象が発生した。1891年までに、ほぼすべての町にデルサルト・クラブが存在し、「デルサルト」という名前はコルセット、ガーター、靴、調整可能な義肢、特別な練習服、さらには室内装飾コンサルティングにまで付けられる商業的ブランドとなった。誰でも講義に出席すれば「デルサルト」を教えることを標榜できたため、質の低い教師が市場に溢れた。

この過程で、デルサルトシステムは根本的な変容を遂げた。フランスにおけるデルサルトは、職業的俳優、歌手、演説家のための深遠な哲学的・神学的システムであった。それはカトリック神秘主義、新プラトン主義、中世スコラ哲学に根ざし、デルサルト自身は聖トマス・アクィナスの人間論、イエズス会やドミニコ会の教えを研究していた。

アメリカにおけるデルサルトは、主に中産階級および上流階級の白人女性と少女のための身体文化および表現システムへと変容した。霊的ではあるが非宗派的で、プロテスタントの価値観と身体文化運動に適合した。複雑な哲学体系よりも実用的利益—健康、優雅さ、自己表現、個人的発達—が強調された。デルサルトの区別した「美学的(内的感情の有機的な動きを通じた自発的表現)」と「記号論的(外的徴候による感情の認識)」の違いが曖昧になり、しばしば「このポーズはこの感情を意味する」という機械的暗記に矮小化された。

この「アメリカ化」は文化的文脈と結びついていた。デルサルト運動は19世紀後半アメリカの身体文化運動(Physical Culture Movement)、**服装改革運動(Dress Reform Movement)**と密接に関連していた。実践にはゆるやかで流動的なギリシア風チュニックが必要とされ、ヴィクトリア朝のコルセットに挑戦した。当時バレエは道徳的に疑わしい外国の芸術と見なされていたため、デルサルトは「respectable(上品な)」女性に社会的に受容可能な身体活動を提供した。また、女性に公的パフォーマンスや職業的教師としてのキャリアの機会を与えた。

しかし、この大衆化は最終的にシステムの信用を失墜させる要因ともなった。1900年頃にデルサルトの娘マリー・デルサルトがアメリカを訪れた際、彼女はアメリカ人が父のシステムから作り上げたものに失望し、アメリカのデルサルト派も彼女に失望した。20世紀初頭には「リアリスティック」演技法の台頭により、デルサルトは人工的に見えるようになった。

ルース・セント・デニスとデルサルトシステムの関係

ルース・セント・デニス(1879-1968)のデルサルトとの関係は、彼女の芸術的生涯の基盤であり生涯にわたる影響であった。彼女は幼少期から母親ルース・エマ・ハル・デニスから直接デルサルトの「社交体操と声の文化(Society Gymnastics and Voice Culture)」を学んだ。母エマは医師の訓練を受けた人物で、女性の健康と衛生改革運動の提唱者であり、娘を服装改革論者や身体文化提唱者の教義に従って育てた。若きルースは「健康的な食事、素朴でゆるやかな衣服、宗教的冊子、そして『美的体操』」とともに成長した。

1892年(13歳)の時の決定的瞬間が彼女の芸術的方向性を定めた。ジェネヴィーヴ・スタビンズが演じる「昼の踊り(The Dance of Day)」のマチネを目撃したセント・デニスは、この体験を**「私の芸術人生の真の誕生」**と表現した。ある資料は次のように記述する:「エマはルースをデルサルト法で訓練していたので、ルースはスタビンズが使用した概念に精通していたが、動きの芸術的再配置は若い演者にとって新しい概念だった」。スタビンズのパフォーマンスは、デルサルト原理が演劇的ダンスにどのように応用できるかを示し、セント・デニスに深遠な影響を与えた。

1894年(15歳)までに「数年間デルサルトのポーズを練習した後」、彼女はスカート・ダンサーとしてワース家族劇場・博物館でデビューした。この長年の基礎訓練は、彼女のダンス技法の発展において決定的であったと明確に特定されている。

セント・デニスの振付と演技スタイルへのデルサルトの影響は具体的かつ直接的である。彼女は**「東洋舞踊のイメージに触発され、デルサルト訓練によって情報を得た作品」**を創造した。彼女のソロは「しばしば動きの背後にある感情的意図に焦点を当てていた」。複数の資料が「デニスの興味深いスタイルは、デルサルト法と精神性の組み合わせであり、両方とも幼少期の体験に由来していた」と述べている。

最も有名な作品**『ラーダ』(1906)において、セント・デニス自身がこの作品を「インド芸術について私が知っていたすべてのごった煮」と描写し、その構成要素として「デルサルトのポーズ」を明示的にリストアップした**。他の要素はアジアのテーマ、スカート・ダンシング、官能的な衣装、劇的効果への才能であった。『ラーダ』の具体的なデルサルト要素には、五感を表現する象徴的なジェスチャーとポーズ、彫像的な位置取り、振付的移行を伴うポーズ(スタビンズの発展の影響)、感情的/霊的焦点(「感覚の陶酔」から精神的超越への移行を描写)、象徴的な対象物の使用(鐘、花、ワイン、宝石、手のひらへの接吻)、表現的な胴体の使用(硬直した位置からの解放、流動的な動き)が含まれる。

セント・デニスの哲学的アプローチもデルサルトと深く共鳴している。彼女はダンスを霊的表現と信じており、これはデルサルトの哲学を直接反映している。彼女の未発表の著作『神聖なダンス』(1933)から:「未来のダンスはもはや身体の無意味な器用さに関心を持たない…私たちが確かに小宇宙、すなわち縮図の宇宙であることを思い出して、未来の神聖なダンスは、そのわずかなジェスチャーで宇宙の何らかの意義を伝えることができるはずである…」この言葉はデルサルトの「ジェスチャーは意味と感情的真実を伝えなければならない」という原理を直接的に反響している。

デニショーン学校とデルサルト原理の継承

セント・デニスとテッド・ショーンが1915年に設立した**デニショーン・ダンシング・アンド・リレイテッド・アーツ学校(Denishawn School of Dancing and Related Arts)のカリキュラムに「デルサルト表現システム」**が中核コースの一つとして含まれていたことは、デルサルトがセント・デニスの教育哲学において生涯にわたり中心的であったことを示している。デニショーンではバレエ、東洋舞踊、民族舞踊、ダルクローズ・ユーリトミクスと並んでデルサルトが教えられた。

テッド・ショーン(1891-1972)自身もデルサルト実践者であり、ヘンリエッタ・ラッセル・ホーヴィー(デルサルトの生徒)に師事した。彼は1954年に『あらゆる小さな動き:フランソワ・デルサルトについての本』を出版し、これは英語圏におけるデルサルトに関する最も重要な学術的資料の一つである。ショーンは次のように記した:「1914年にデルサルトの原理と法則を初めて知ってから、私はダンサー、振付家、教師としてのすべての仕事において、それらを意識的に使用し適用してきた」。彼はデルサルトを「アメリカ近代ダンスの父」と称した。

デニショーンを通じて、デルサルト原理は次世代に伝えられた:マーサ・グレアム(収縮とリリースの技法を発展)、ドリス・ハンフリー(落下と回復)、チャールズ・ワイドマンといったアメリカ近代ダンスの第二世代全体がデルサルトを学んだ。彼ら全員が感情的意図と身体表現を結びつけることを学んだが、これは中核的なデルサルト原理である。

近代ダンスへの広範な影響:デルサルトからラバンへ

ルース・セント・デニスを超えて、デルサルトの影響は近代ダンスの形成において極めて広範であった。

**イサドラ・ダンカン(1877-1927)**の「太陽神経叢から始まる初期動作」の概念は、デルサルトの原理から直接派生している。自然な動きの探求と内的感情をジェスチャーを通じて表現することへの強調は、デルサルトの「内的経験と外的表現の対応の法則」に由来する。キャリー・プレストンの研究(2009)は、ダンカンが「神話的彫像ポーズ」を実践し、「ポーズが他のポーズへ溶け込む」というデルサルト的な身体感覚を体現していたことを示している。

**ルドルフ・ラバン(1879-1958)**もデルサルトの影響を受けた。ジェネヴィーヴ・スタビンズのドイツ人生徒ハーデ・カルマイヤーを通じてデルサルト原理がラバンに伝わり、ラバンは独自の動作分析を発展させる前にデルサルトを研究していた。ラバンのエフォート理論と動作分析は、重さ、空間、時間、流れに関するデルサルト概念の上に構築された。デルサルトとラバンの間のこの接続は、ドイツ表現主義舞踊(アウスドルックスタンツ)への橋渡しを創造した。

ラバンを通じて、**マリー・ヴィグマン(1886-1973)**もデルサルトの影響を受けた流れの中にある。ドイツ表現主義舞踊は「調和体操」を通じて伝えられたデルサルト的伝統の影響を受けた。

デルサルトの伝播は舞踊にとどまらなかった。サイレント映画においても、D.W.グリフィスの俳優たちはデルサルト技法で訓練を受け、ルイーズ・ブルックスや他のサイレント映画スターは感情的価値を符号化したデルサルト的ポーズを使用した。レフ・クレショフのモンタージュ理論さえもデルサルトのジェスチャーと感情の原理と関連していた。

現代への影響と理論的接続:現象学的身体論とソマエステティクス

デルサルトシステムの現代的意義は、2000年代以降の学術研究によって再評価されている。主要な学者による研究は、デルサルトを「メロドラマ的ポーズ」という否定的イメージから解放し、近代パフォーマンス理論、身体文化研究、現象学的身体論における重要な位置へと復権させた。

ナンシー・リー・ライター(カリフォルニア大学アーバイン校)の『19世紀アメリカ・デルサルティズムにおける身体と精神の涵養』(1999)は基礎的テキストとなり、キャリー・J・プレストン(ボストン大学)の『モダニズムの神話的ポーズ:ジェンダー、ジャンル、ソロ・パフォーマンス』(2011)は舞踊史学会のデ・ラ・トレ・ブエノ賞を受賞した。プレストンはデルサルティズムを**「モダニズムの最初の国際的パフォーマンス理論」**と確立し、近代ダンス、サイレント映画、詩的朗読がデルサルティズムにおいて共有された歴史を持つことを追跡した。

デルサルトシステムと現象学的身体論の最も直接的な現代的接続は、リチャード・シュスターマンのソマエステティクスを通じて現れる。ソマエステティクスは「感覚的鑑賞(アイステーシス)の場としての生きた身体(ソーマ)の経験と使用の批判的研究と改善的涵養」に専念する分野として明確に定義されている。

デルサルトのシステムは現象学的な生きられた身体(Leib)対客観的身体(Körper)の強調を先取りしていた。彼の「ジェスチャーは心の代理人である」という原理は、メルロ=ポンティの身体的志向性(bodily intentionality)の概念を予期している。アメリカ・デルサルティズムの固有受容感覚と運動感覚的意識への焦点は、前反省的な身体経験に対する現象学的強調と一致する。

フッサールの具現化の現象学における「運動感覚的意識」(運動性によって特徴づけられる意識)の概念は、デルサルトの動作を第一次表現とする焦点と並行している。両者は身体を単なる物理的対象ではなく「経験の生きられた中心」として強調する。デルサルトの「内的状態と外的表現の対応の法則」は現象学的志向性を予期している。

メルロ=ポンティの身体-主体理論における「私たちの周りに過去、未来、人間的設定を投影する志向的弧」は、デルサルトの全体的アプローチと共鳴する。両者とも心身二元論を拒否し、統合された具現化された意識を支持する。「最大把握(maximum grip)」と熟練した対処の概念は、効率的で表現的な動作のデルサルト原理と並行している。

日本の舞踏理論との接続可能性:不在の重要性

日本の舞踏とデルサルトシステムの間には直接的に文書化された接続は存在しないという重要な事実が研究で明らかになった。この不在自体が重要な意味を持つ。

歴史的タイムラインを見ると、デルサルトの仕事(1850年代-1871)は舞踏の出現(1959)に約90年先行している。アメリカ・デルサルティズムは1880年代から1920年代に繁栄したが、舞踏は第二次世界大戦後の日本で出現した。文化的文脈も異なる:デルサルティズムはキリスト教の三位一体と西洋美学に影響され、舞踏は仏教、神道、原爆後のトラウマに影響された。

舞踏の実際の影響源は、ドイツ表現主義舞踊(ノイエ・タンツ)—それ自体がデルサルト的影響を持つ—、日本で実践された「毒踊り」、フランス前衛文学(ジャン・ジュネ、三島由紀夫)、戦後日本の実存主義と西洋の影響への拒絶である。土方巽はノイエ・タンツを学び、大野一雄はノイエ・タンツの日本人実践者に師事した。これにより潜在的な系譜的リンクが生まれる:デルサルト→スタビンズ→ドイツの学校→ノイエ・タンツ→舞踏。

概念的並行性(直接的影響ではない)としては、両システムが以下を強調する:言語を超える表現の道具としての身体、遅く制御された動きと変容、内的状態と外的形式の間の接続、真正な表現を優先し技巧的技術を拒否、白い身体塗装(異なる象徴的理由による)。

身体理論的接続としては、両者とも(独立して)具現化の現象学に関連し、両者とも西洋のデカルト的二元論に挑戦し、舞踏の「間(ma、否定的空間)」の強調とデルサルトの「休止」と「停止」の使用が並行している。

この直接的接続の不在は、異なる文化が異なる経路を通じて具現化された表現に関する類似の洞察に到達し得ることを示している。むしろ、この不在は比較現象学的研究の興味深い機会を提供する。西洋と東洋の身体理論の比較研究は、土方巽の「暗黒舞踏」理論、郷田成夫の「地上20センチメートル上下」理論、身体文化資本論、現象学的身体論との潜在的な対話を開く可能性がある。

現代スポーツ科学と身体文化理論への関連性

デルサルトは動作教育の三大基礎的人物の一人として認識されており、リゼロット・ディーム(ドイツの体育教育者)、ルドルフ・フォン・ラバン(動作分析者)と並んでいる。

デルサルトの九つの動作の法則(高度、力、動作、順序、方向、形、速度、反応、伸展)は現代の動作教育学に情報を与えている。「表現的動作は、その動作を触発した感情に関連すべきである」という理論は現代のダンス教育に影響を与える。「平行性」(身体部位の同時動作)の原理は協調訓練の基礎である。

身体文化史(1800年代から20世紀中期)において、デルサルトは「体性的身体文化」の波の一部であり、ベス・メンセンディークやジョセフ・ピラティスと並んでいた。ストロングマン美学やヨーロッパ体操への心身統合的対抗点として出現した。その遺産は体操、理学療法、スポーツ/運動科学、現代マッサージに継続している。

現代スポーツ科学への接続には以下が含まれる:効率的動作のバイオメカニクス、固有受容感覚訓練と身体意識、運動パフォーマンスにおける心身統合、神経筋協調と運動学習。ウェルネスとリハビリテーションへの応用には:機能的動作パターン、姿勢アライメントと矯正、呼吸法とソマティック実践、具現化されたマインドフルネス実践が含まれる。

現代的意義と理論的遺産

デルサルトシステムは、近代パフォーマンス、ダンス、身体理論における決定的だが見過ごされがちな系譜を表している。現在の学術研究(特に2000年代から2020年代のライター、プレストン、ヴェダーらの仕事)は、デルサルトの評判を「メロドラマ的ポーズ」から以下のような認識へと復権させた:

近代ダンスへの基礎的影響(ダンカン、ショーン、セント・デニス、ラバンを通じて)、モダニズムの最初の国際的パフォーマンス理論、現象学的身体理論と現代ソマエステティクスの先駆者、19世紀の身体文化と20世紀のパフォーマンスの間の橋渡し的人物、フェミニスト身体文化と女性の体育教育における重要な事例研究。

デルサルトの理論的枠組みは、パフォーマンス理論、フェミニスト研究、具現化研究、ソマエステティクス、身体文化史にまたがる現代学術研究における継続的関連性を示している。彼の遺産は、体育および動作教育カリキュラム、現代ダンス訓練と振付、ソマエステティクス哲学と実践、パフォーマンス研究と演劇訓練、身体文化とウェルネス運動において継続している。

デルサルトシステムの深層的意義は、感情的真実を体系化(分類可能で再現可能に)することを、適切に理解された場合に機械的にならずに成し遂げた点にある。それは硬直した公式としてではなく生きた原理として理解されるべきである。この緊張—体系性と有機性、科学と芸術、普遍性と個別性の間の—こそが、デルサルトを現代の身体理論、現象学、そして土方巽の暗黒舞踏における身体変容、郷田成夫の「地上20センチメートル上下」における重力と身体の関係性、現象学的身体論における生きられた経験の強調といった日本の身体文化理論との潜在的対話に関連させ続けているのである。

デルサルトは「芸術は真理を表現するものである」と述べたが、彼のシステムが追求した真理とは、人間の内面性が身体を通じて必然的に、しかし発見可能な法則に従って顕現するという真理であった。この探求は、身体文化資本論、体性的教育、具現化された認知科学、そして身体を通じた意味生成を探求するあらゆる現代的実践において、今もなお継続している。