歩けるけど止まれない!?

一本歯下駄を履き始めて間もない方々からいろんな声を聞かせていただくのだが、その中でも「一本歯下駄で歩くことはできるのですが、一本歯下駄ヲ履いたまま立ち止まれません」というのが意外に多い。

どういうことか…?

自転車に乗り始めた頃を思い出して欲しい。自転車のサドルに跨って、ペダルを踏まず静止することは可能だろうか?

自転車の構造を考えればわかるはず。自転車も前後に車輪が2つあって不安定な乗り物。ペダルを踏んで前進すれば前に進んでいくけれど、ペダルを踏み続けることなく、その場で静止するためには絶妙なバランス感覚が必要とされる。

一本歯下駄を履き始めたらまずは歩きまくろう。まずは凸凹のない平らなところから。スロープの上り下りも…。

上りは割と楽に進めるけれど、下りはどうだろう?歯の高さの低い一本歯下駄は爪先部分が地面に擦れないようにしよう。

現代人の特徴として足首の固さが挙げられる。

その昔、日本人は食事の際もちゃぶ台で正座していた。正座すると足首はどうなるだろう?

トイレは和式…しゃがむ姿勢では足首は…?

テーブルで食事、洋式トイレで座る生活に比べれば、昔の日本人の足首の可動域ははるかに広く、それが運動機能にもきっと影響していたことだろう。

今の子供達はかかとを付けたまま和式トイレのしゃがむポーズができず、後ろに倒れてしまうらしい。

一本歯下駄は足首の可動域を広げてくれるのと同時に、足首の関節やその周りの筋肉も使うため、シューズでの生活がメインだった方々にはプラスの効果が期待できる。

トレイルランナーは不整地を走ることが多い。不整地とは石ころがあったり木の幹や切り株があったり、路面も乾いた土だけでなく、濡れてぬかるんだ道もある。上り下りも当たり前。そんな不整地では足首が硬いとまたたく間に転倒してしまう。特に下りでスピードを出して駆け下りる際には足首のしなやかさ・柔らかさがある人はかなりの高速でスイスイと下山していくことだろう。

昨年の6月に、一本歯下駄クラブのメンバーで大阪府最高峰金剛山(1196メートル)に一本歯下駄での登山を企画した。

一本歯下駄での金剛山登山…2017年6月

その昔、といっても1300年ほど前、修験者たちが山を歩く際に一本歯下駄を履いていたと言われるが、その理由がよくわかった。

山は一本歯下駄で歩くためにあるのだと思わされたくらい。異常な集中力が要求されるのに加えて、精神の高揚感ハンパなし。転倒者も続出したが、それ以上に一本歯下駄登山の面白さというか魔力・魅力に圧倒されたのだ。

詳しくはこちら

話をもとに戻すが、一本歯下駄で立ち止まることを最初から考えないことだ。いろんな路面で歩き続けているうちに自然とバランス感覚が養われ、いずれは一本歯下駄で片足立ちもできるだろうし、一本歯下駄でしゃがむスクワットもできるはず。

時間があるなら、一本歯下駄で歩くのと並行して一本歯下駄でしゃがんだり片足立ちの練習を毎日少しずつやるのもいい。

テレビ等でも紹介された、平昌冬季五輪女子スピードスケートメダリスト小平奈緒選手の一本歯下駄スクワット

体には重心センサー(と個人的に呼んでいる)というものがあって、人が二本脚で立ってバランスを保つために常に機能している。

転びそうになると重心センサーはすぐさま脳に体の水平を保つように信号を送る。重心センサーが発達した人は、転びそうになるとジャンプして空中でバランスを整えて着地するという。

不安定な状況を意図的に作り出す一本歯下駄はこの重心センサーを活性化する働きもある。一本歯下駄で街に出たら、時々歩道にある黄色い点字ブロックの上や、道路側に傾いた歩道の上などを歩いてみよう。ちょっとした路面の突起物で一本歯下駄はグラグラするが、そのグラグラ感を楽しめるようになれば重心センサーは一人前の働きをしていると言えるだろう。

一本歯下駄を履き始めてから誰もが通過するポイントがいくつかあるけれど、一本歯下駄で心も体もポジティヴに変わっていくと私は確信している。

最初に一本歯下駄を履く時、「転ぶんじゃないか」と思えば転んでしまうものだし、「何か楽しそう」とリラックスして歩き出す人は転ばない。心と体は連動しているのだから至極当然。

怖いと思った時体がフリーズして動かなくなる。そんな時、バランス感覚が失われてしまうがゆえに転倒する。

頭も体もある程度のしなやかさがあればいい。体の硬い人はどんなスポーツをするにしてもいろいろと弊害が多いもの。

一本歯下駄で体のしなやかさを取り戻すこともできるはず。

子供の成長過程は皆同じ。

寝返りを打つ→ハイハイする→二本脚で立ち上がる→歩く→走る…

誰もが歩けるようになれば必ず走れるようになる。一本歯下駄だってそう。一本歯下駄で立って歩ければ走ることもできるようになる。

そもそも人が二本脚で立つこと自体が不安定なことゆえに、一本歯下駄はそれに少しアクセントを付けたにすぎない。

体のメカニズムについてあまり深くはふれないけれど、一本歯下駄を履くと足首サスペンションと足の裏センサーも活性化する。

足裏センサーと足首サスペンションの鍛え方

一本歯下駄で足裏センサーと足首サスペンションを鍛える

重複する内容もあるがぜひ読んでいただきたい。

一本歯下駄ランナー矢野さんは一本歯下駄でフルマラソンを何度も完走している。ふだんから一本歯下駄でのランニングやなわとびを継続しているのだ。

一本歯下駄でフルマラソンを走りたい、一本歯下駄で山に登りたい、そんな一本歯下駄フリークがじわじわと増えている。

くれぐれも、安全と健康第一で、楽しい一本歯下駄ライフを…。

一本歯下駄でトレイルを走る…モダン修験者になったような気分を味わえる

一本歯下駄クラブ(フェイスブック公開グループ)

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高繁 勝彦

高繁 勝彦

走る旅人:「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」を走るアドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラブ評議員)、ALTRA JAPANアンバサダー、 YAMANOVAコーヒーアンバサダー、ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、旅人、詩人・アーティスト、クリエイター、ナチュラリスト…。元高校教師(英語)。   大阪府松原市生まれで、現在、大阪府富田林市に在住。 妻はミュージシャンでかつてぴよぴよ名義で「らんま1/2」エンディングテーマ「虹と太陽の丘」を歌っていた。 楽天ブログ時代(2006.4.2)からノンストップブログ更新中。公式サイト 「PEACE RUN 世界五大陸4万キロランニングの旅」と“KAY’S WORLD”もよろしくお願いします。 プロフィール詳細はこちら。 https://kaytaka.wixsite.com/kays-world/about 二度の日本縦断(「PEACE RUN 2010日本縦断3,443kmランニングの旅、「PEACE RUN2012 日本縦断ランニングの旅 PART2」で実質の日本一周ランニング6,925kmの旅を完結。 2011年はPEACE RUN 2011アメリカ横断5,285kmランニングの旅を138日で完了。 2013年9月から163日で「PEACE RUN2013オーストラリア横断ランニングの旅」5,205kmを走破。 2014年11月から2015年2月、83日でPEACE RUN2014ニュージーランド縦断ランニングの旅2,796.6kmを走破。 2016年7月〜11月、110日間で7カ国3,358.8キロ、「PEACE RUN2016ヨーロッパランニングの旅」を走破。 2017年9月〜10月、「PEACE RUN2017四国一周ランニングの旅」1000キロ走破。2018年5月「九州一周ランニングの旅」で約900キロ走破。 2019年6月「PEACE RUN2019ヨーロッパランニングの旅 PART2」に向けて準備中。  2011年3月14日、東日本大震災の3日後、「RUN×10(ラン・バイ・テン)運動」を発案・提唱、全国に展開させる。 2012年末、facebook上の公開グループ、平和的環境美化集団"THE SWEEPERS"を発足、活動を展開中。 2014年、一本歯下駄で世界平和をめざすfacebook上の公開グループ「一本歯下駄クラブ」を発足、活動を展開中。 講演・セミナー・取材などの問い合わせ・依頼をお待ちしております。

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