2013年、一本歯下駄を履き始めてから和装にも興味を持つようになった。最初は作務衣、そして着物・浴衣…。その昔、剣道をやっていたので袴は既に手元にあったものを着用。
作務衣と袴を組み合わせたり、寒くなってきたら羽織を手に入れたり、和裁のプロのお友達に生地を送ってモダンな着物や作務衣・袴などを作ってもらったり…。
一本歯下駄をファッションツールと考えるならば、もっともっと個性を全面に出してもいいのではないか…。そんな考えから鼻緒も自作にチャレンジ。
そもそも一本歯下駄が自然素材で作られているし、構造もシンプルなもの。鼻緒の素材も通常は麻ひもと綿と布地(木綿など)のような自然のもの。
既に持っていた一本歯下駄の鼻緒を外して分解してみたら、何となく作れそうな気がした。ただそれだけの動機。
ネットで生地を購入。麻ひもと前坪は元々自分の一本歯下駄に付いていた鼻緒をそのまま使用。
いつの間にか、一本歯下駄を販売するようになったのが2015年。
一本歯下駄の台はARUCUTOから、鼻緒は大阪市内の履物屋さんで仕入れて、「鼻緒が選べる一本歯下駄」という名目でネットで販売。
市販の鼻緒は大体が2センチ径の細いものばかり。これは高さのある重い一本歯下駄には実はあまり向かない。
ネットでも一本歯下駄に付いている鼻緒は太くて2.5センチ。それも色は白か黒の二色だけ。
幅の広い鼻緒は一本歯下駄の重さを足の甲全体に分散してくれるし、足に吸い付くようなフィット感がたまらない。長時間歩いたり走ったりする際には疲れ方も違ってくるので極太鼻緒は重宝する。
極太鼻緒を使われているある方のコメント…
初めて買った一本歯下駄は普通の鼻緒のでした。
慣れていないこともあったでしょうが、つまずいた時に何度か転びました。
ところが極太鼻緒にしてからつまずいても転ばなくなりました。
極太鼻緒はフィット感がとても良く、つまずいた時の次の一歩が安定しています。
長時間履いて歩いても疲労感は少ないし、指の股も痛くなりませんでした。
安全に履きこなすためにも極太鼻緒はお薦めです
そんなこんなで、オリジナルの極太鼻緒を広めようということで2017年頃から製作販売を開始。現在に至る。極太鼻緒で約3センチ径、超極太鼻緒は約4センチ径。太さがあると見た目もマッチョな感じ。
表地と裏地の二枚の生地を縫い合わせるのにミシンを使うとズレたりしてうまくいかない。それゆえに、一枚物の鼻緒以外はずっと手縫いの作業を続けている。一度に大量に作ることは不可能だが、手間隙かけていいものを作るというポリシーがそこに活かされる。
1ペアの極太鼻緒を作るのに、その作業だけに集中して少なくとも2〜3時間はかかる。針と糸で地道に縫うのが一番大変だが、できあがった時の喜びはひとしお。
鼻緒は一本歯下駄にとって表情を作る「顔」でもある。鼻緒が変わると一本歯下駄の雰囲気もガラッと変わるものだ。
極太鼻緒の写真アルバムはこちら
もしくはメッセージでも承ります。
お手持ちの生地を送っていただければ極太鼻緒を作ることもできます。ご相談ください。一本歯下駄でランニングや登山をされる方には、麻ひもを使わないパラコード仕様での極太鼻緒をお勧めします。
*参考記事:「一本歯下駄と鼻緒」
*一本歯下駄の購入はこちらで…
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