一本歯下駄で5度目の金剛山登山に出向いた。
新型コロナウイルスのおかげで山からもずっと遠ざかっていて、金剛山に登ったのは昨年7月28日以来。
親の介護疲れやコロナの自粛モードで、山に行きたくてもなかなか行けない日々が続いていた。
緊急事態宣言が解除された6月、梅雨入り前に「今がチャンス」と思い立って、ついに出発。
自転車で千早ロープウェイ前へ片道16キロ。自転車を駐輪場に停めて、一本歯下駄に履き替えていざ山頂を目指す。
これまで何度もたどった伏見峠ルート。数年前には金剛山の香楠荘で仕事していたこともあって毎日トレイルランニングで通勤。雨の日も風の日も雪の日も登り下りを早駆けしていたことが懐かしく思い出される。
使用した一本歯下駄はARUCUTO製スキャッパ。最軽量のノーマルタイプの一本歯下駄で、私が作った極太鼻緒(パラコード仕様)をすげ、一本歯下駄専用ストラップを使って足が一本歯下駄から抜けないようにしている。
今回特に気になったのは、暑さの中で一本歯下駄の歯に付けたタイヤゴムが予想以上に早く摩耗したという点。
伏見峠ルートはセメントで舗装されたところが多く、気温は山麓付近が25度、山頂も21度くらい。
休みなく山頂まで移動し続けたこともよくなかったのか、山頂に着くまでに両側とも歯の真ん中で止めた釘のところで2つに裂けてしまっていた。
決してタイヤゴムが悪いという訳ではない。デューロのシクロクロス用700×32Cを歯の側面を覆うようにして釘は歯の側面前後で3本、歯の真ん中に3本打ち付けている。
この歯の真中に3本を打ち付けたのがよくなかったのか、山頂に着く頃には両側ともタイヤゴムが真ん中で裂けてしまっていたのだ。
例年、夏には一本歯下駄の歯に付けたタイヤゴムが減るのが冬に比べれば早くなるのはわかっていた。それも地道よりはアスファルトの舗装路の方が圧倒的に摩耗は早い。
加えて、山の場合、登りで歯にかかる圧力も平地に比べれば高くなる。
千早ロープウェイ前から山頂までは約2.5キロ。伏見峠ルートは前半セメント道が多い。
山頂まで残り500m辺りで既にタイヤゴムが裂けて、露出した歯の木の部分が地面に当たる音がしていた。
夏場の一本歯下駄登山や長距離ランニングには予備のタイヤゴムが必要かも知れない。
1300年前は歯につけるタイヤゴムなんてのもなかった訳で、当時このエリアで修行していた修験者たちは一体どうしていたのだろう?
素のままの一本歯下駄で登山してみようという気持ちにはなかなかなれないけれど、実際にそれが可能であったということ。実に興味深い。
砂利道、がれ場、木の幹や石ころが転がる道を一本歯下駄で駆けてみて、私の足首サスペンションと足の裏センサーはかなり機能するようになってきたのかと自画自賛したくもなるものの、まだまだ求めるところは遠い。
山道を前進しながら、あえて石ころや木の幹を避けて歩いている。
でも、そういった無駄な選択をすることなく、足の向くままに前進できることが理想だ。道や路面を選ばないオールマイティな早駆けができるように。
一本歯下駄路面を点で捉えるという動き、まだ改良の余地あり…である。
*YouTube動画リスト:一本歯下駄〜One-Tooth Geta
*一本歯下駄の購入はこちらで…
*ライター:
株式会社GETTA認定アンバサダー
「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」を走るアドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦
コメント