3ヶ月ぶりの投稿。投稿こそしなかったものの、一本歯下駄はずっと履いている。
2023年5月24日、私にとって20回めの一本歯下駄金剛山登頂。思い返せば、2017年、一本歯下駄クラブの仲間数名と共に「修験者’sトレイルウォーク」という名前のイベントを企画、それで金剛山を一本歯下駄で登ったのがそもそもの始まりだった。
一本歯下駄を履き始めた頃は凸凹道を避けて歩いていた。当初は、舗装されたアスファルトの道を走るために一本歯下駄を使っていたのだ。ところが、平坦な舗装された道ばかり歩いていても面白くない。単調な人生は面白くないのと同じ。人生山あり谷ありでこそ面白いというもの。
雪のある時期はもちろんシューズで登るのだけれど、3月から11月辺りまでは月に一度は一本歯下駄で登ると密かに決めて、もちろんいろんな事情で時間が捻出できないこともあったが、できうる限り月一一本歯下駄登山をやろうと務めてきた。
一番最初は、高さ15センチの福島履きもの店の一本歯下駄を使って登ったが、やはり難易度は高い。2回めからはタイヤゴムをつけた一本歯下駄スキャッパ(高さは約10センチになる)でずっと登っている。
坂道を登る際には下駄の歯にかかる力はかなり大きくなる。タイヤゴムをつけていてもそれがズレてきたり、タイヤゴムをつけている釘が抜けてきたり、場合によっては釘が折れたりすることもある。こまめにメンテナンスをやることも要求される。
こういった経験が、私自身が開発したトレイル専用一本歯下駄SHUGEN(修験)に活かされている。
金剛山は標高1125メートル、大阪府と奈良県の間にある。山頂は奈良県御所市に位置するが、大阪府最高地点がダイヤモンドトレイル上にある。
私がいつも使うルートは、千早ロープウェイ前から百ヶ辻(もがつじ)を経て伏見林道を抜ける道。途中、念仏坂という急勾配が数百メートル続くが、セメントの舗装路もあって比較的登りやすい。伏見峠でダイヤモンドトレイルに合流し、ちはや園地を経て、葛城神社〜転法輪寺を通過し、山頂広場(国見城趾)に辿り着く。
最初の頃は、登りだけ一本歯下駄で下りはサンダルに履き替えていたが、いつの間にか下山時も一本歯下駄で降りるようになっていた。その方が足腰への負担も少なく、翌日に疲れを残すこともない。毎回多くの方々に声をかけられ、質問を浴びせかけられる。今でこそ登山靴やトレッキングシューズなどで山に入るのが当たり前になっているけれど、100〜200年ほど前なら草鞋(わらじ)で登っていたのあろう。
1300年ほど前に、山で修行するために生み出されたと言われている一本歯下駄。その真偽は誰にもわからないが、確かに一本歯下駄は登りに強い。人為的に階段を作りながら登っていく感覚が足首への負担を軽減してくれるからだ。
金剛山を一本歯下駄で登る度に、一本歯下駄と山がますます好きになっていく。残された人生、あと何回登れるかわからないけれど、生きている限り、足が動く限りは一本歯下駄で登り続けたい。
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*ライター:
「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」を走るアドヴェンチャー・ランナー 高繁勝彦
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