一本歯下駄を長年履き続けているといろんなことが起こる。
予測可能なものは問題ないけれど、問題となるのは突発的に起こる想定外のトラブルやハプニング。
そこで、一本歯下駄を履いていてどんな状況に危険が潜むのかまとめてみよう。
1)不整地
未舗装路では石ころや砂利、凸凹の路面で足首の硬い人、一本歯下駄を履き始めて間もない方は転倒する可能性大。
舗装された歩道でも、点字ブロックや段差でつまづく可能性は大きい。とはいえ、足元ばかり見ていては危険はさらに起こり得る。遠くを見ながら近くも見れるようにしておきたい。
2)暗闇
足元の見えにくい夜、ネオンサインや街灯があればまだいいのだが、完全な暗闇では、足の裏センサーがしっかり働いていないと路面の状況が把握できなくなり転倒につながる。さらには、暗闇では平衡感覚を失いやすい。上下動のある歩き方をする人はなおさら要注意。鳥目がちの方も夜道は避けよう。
4)酒気帯び
車の運転も一本歯下駄歩行も、酔っている時には注意が必要だ。酒を飲む場面に一本歯下駄で行くというのは、できるなら避けた方がいい。だが、逆に酔ってしまって気持ちが大きくなることで大胆になる人もいない訳ではない。暗闇を酔った状態をあえて歩くのもトレーニングと言い張る方もいない訳ではない。
5)下り坂・階段の下り
登りよりも下りの方が危険なのが一本歯下駄。これは階段のみならず、普通の道でも同じ。重心を体のどこに置くのかがわからないビギナーならある程度緩やかな斜面で慣れておくのが理想。下りで使われる太もも全面の大腿四頭筋が弱い人は体重を支えられなくなって転倒するケースもある。普段長い距離を歩くことのない高齢者は靴を履いていても転倒しうる。
6)人混み
朝のラッシュ時やイベント・お祭り開催時の人の群れの中では、誰かの足を踏んだりする危険もある。サンダル履きの人の足を一本歯下駄の歯で踏まれたらどんなに痛いかは経験してみたらいいのだが…。満員電車でも油断はならない。
7)濡れた路面
雨の日のコンビニやデパートのフロア、マンホールや鉄板の上はスリップしやすい。一本歯下駄の歯の裏にタイヤゴム等を貼っていても摩擦でゴムがすり減っているとつるつるすべる。雨の日は極力一本歯下駄で出歩かないのがいい。一歩一歩グリップを効かせながらゆっくり歩くことだ。
8)その他
駅のホームで一本歯下駄で立っている際に、ホームに入ってくる電車を目で追ってみよう。体がバランスを維持する時、静止しているものに目の焦点を合わせることで二本脚で自立できるのが人間。動いているものにつられてしまってバランスを失うのは自然なこと。交差点に立って動く車を見ていても同じことが起こる。
一本歯下駄の歯が抜けることも時にある。下駄の台が乾燥してしまって抜けるのは自然素材を使っている一本歯下駄だからこそ起こり得ること。事前に歯の部分をチェックすることは怠らずに。一本歯下駄は乾燥を嫌うので、エアコンの効いた部屋や真夏の車の中に放置するのは避けよう。また、鼻緒に緩みがないかもチェックだ。
一本歯下駄を履いていて転倒は避けられないものかもしれないが、転倒してまず起こりうるのは足首の捻挫。そして、転倒したはずみで骨折や脱臼、擦り傷なども予測される。転倒する方向や角度でどこがどんな状況になるかわからない。転倒する際には体を固くせず、転ぶ瞬間には体を丸めるようにすれば被害は最小限に抑えられる。人は恐怖を感じると上半身がフリーズするものなのだ。
頭(特に後頭部)だけは打たないように、ふだんからリラックスできるように体を柔らかくするストレッチなどもいいだろう。室内で柔道の受け身の練習もしておきたい。
*危険を回避するために
以上、いろんな危険な場面を上げてみたが、こういった危険にどう対処すればいいのか…?
いろんな路面を歩くのが一番。山のトレイルを一本歯下駄で歩いたりするのもいい。舗装された平地しか歩かない人は、ランナーも同じだが、急に路面の状況が変われば体も足もその変化に対応できないもの。
あえて上記の危険な場面を自分で経験してみて、そこで感じ、気づいたことを元に自分で対策を考える。それもまた一本歯下駄との付き合い方。
人が二本の脚で自立して歩行すること自体がもともとアンバランスで危険な行為というのが結論だ。それをさらに危険を伴う一本歯下駄で歩くのだから、むしろ危険を危険と思わず、「こういうものだ」と割り切って(受け入れて)楽しめるのが真の一本歯下駄フリークだと考えよう。
一本歯下駄はあくまで楽しむためのツール。大人ならわかるだろうが、自己責任において楽しむことだ。
いつもいうことは同じ…
安全と健康第一で楽しい一本歯下駄ライフを…。
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