皆さん、こんにちは。ARUCUTO一本歯下駄アンバサダー、アドヴェンチャー・ランナー高繁勝彦です。
道具は大切に使うのがいいですね。道具を粗末にしているとその道では成功しないとも言われます。
野球選手がグラブやバット、スパイクなどをこまめに手入れするのも、大工さんがカンナやのみの刃をその都度研ぐのも、板前さんが包丁を研ぐのもみんな理由は同じ。道具があるおかげでその道を大切にするということ。その道具に感謝の気持ちを持つことが技術向上にもつながるということです。
さて、一本歯下駄をお持ちの皆さんにとっての歩く・走る・移動する道具でもある一本歯下駄は今どんな状態でしょうか?
台にヒビが入っていたりしていませんか?歯は欠けていませんか?歯がグラグラしてませんか?鼻緒は緩んでいませんか?
履く前の安全点検はぜひしてもらいたいものですが、折に触れて一本歯下駄の外観もきちんと確認してみましょう。
1)下駄の台の汚れ
酢を薄めた水をスポンジにつけて軽くこすってみます。しつこい汚れなら石鹸で。ヒノキなどの白木は牛乳を使ってもいいでしょう。こまかな傷も含めて紙やすり(180番から240番)で磨くと表面がきれいになります。鼻緒を外して作業すると楽ですね。ぶつけて凹んだところには木と同じ色合いの木工パテで埋めて乾燥させてから紙やすりをかけましょう。
ただ、パテで補修しても塗った部分が目立つかもしれません。ニスなどを塗布すればなおいいのですが…。
2)鼻緒の緩み
鼻緒も自分で調整できます。基本的には前坪(さきつぼ…鼻緒の指を挟む部分)を締めるだけでいいのですが、参考動画はこちら…
鼻緒が傷んだり汚れたりして交換(挿げ替え)したい時には元の鼻緒を外さなければなりません。
*前坪を緩める動画はこちら
*後坪(鼻緒の後ろ側二箇所)を緩める動画はこちら
GETTAやKOJIROの鼻緒は通常の長さでは長すぎるためカットして挿げなくてはなりません。左右非対称ですのでご注意ください。
鼻緒は消耗品です。よほどのことがない限りめったに切れることはありませんが、歩いていて転んだ時に急激に伸びることがあります。緩んだまま歩くと危険です。緩いなと感じたら早めに調整をしましょう。
鼻緒は生地にもよりますが新品の時に防水スプレーを塗布しておくと汚れにくくなります。泥はねがつくとなかなか取れませんから。
3)歯のメンテナンス
ぶつけて欠けてしまったり、歯の裏が摩耗した場合にはそれなりの補修が必要です。木片を接着剤で固定しヤスリで削るなどの方法がありますが、ホームセンターで手に入るものでたいてい対応できます。
下駄のカランコロンという音を楽しむために歯の裏にゴムを付けない方も多くおられます。長期間履いていれば当然歯は摩耗します。歩き方の癖で下駄の歯の片方だけが減ってしまう現象を防ぐために、時々左右を入れ替えて履くのもひとつの方法です。左右を区別するためにL(左)とR(右)の印をつけておくといいですね。
GETTAやNANTANにもともと付いているソフトゴムは室内専用と考えてください。
アスファルトの舗装路を歩いていたらすぐに摩耗してしまいますので屋外で履く際には別にゴムを付けた方が無難です。
補強ゴムは自転車のタイヤはじめ靴の補修部品で間に合わせられます。ホームセンターや東急ハンズなどの靴のコーナーに置いてあります。
オススメなのはカナダシート
接着にはボンドを使いますが、木とゴムに対応したものなら何でもいいと思います。
私はコニシボンドのG17を使っています。
自転車のタイヤゴムを使うならカーブ面が少ない27インチ(700C)以上のサイズでタイヤ径が歯の太さ(標準的には25〜30ミリ)に合うものを選びましょう。トレイルやオフロードを一本歯下駄で攻めるのであればマウンテンバイク用タイヤもいいですね。ただ、タイヤゴムも雨で濡れた路面では滑ります。コンビニなどのフロアで予期せぬスリップを私も何度か経験しています。雨の日の一本歯下駄は必要以外の場面ではできるものなら避けたいものですね。
こちらに一本歯下駄弁慶大西さんの一本歯下駄補強の動画がありますので参考にしてください。
一番しっかりしているのはリフト板とも呼ばれるビブラムシートの半張板。
値段は高いのですが、固く滑りにくく舗装路には強いと思われます。
どの方法でも接着剤だけでも固定はできますが、釘を打つことで剥がれにくくすることもできます。
ただ、釘をたくさん使うと歯にひび割れが入ったりする可能性も避けられません。釘の長さや太さも関係してきますし、木の材質でも強度は変わります。
私自身、朴の木の歯で歯の厚さ30ミリ(ARUCUTO製NANTANなど)の一本歯下駄なら20〜25ミリのスクリュー釘を使っています。
接着剤でゴムを付けたあと、乾燥させてから釘を打ちます。歯の縁に釘を打つと良くありません。歯の縁から5ミリ以上内側に釘を打ってください。
釘の打ち方の一例です…歯の中央に3本、歯の左右に縦に2本ずつ計7本です。
どのゴムにも言えることですが、表面のトレッド(模様)が消えてツルツルになってきたら交換時期です。
自分でメンテナンスすることでよりいっそう一本歯下駄に愛着が湧いてくるものです。
ランニングシューズなら1000キロも走ればもうアウトソールがヘタってしまいますが手入れ次第では長年使えるのが一本歯下駄。私の一本歯下駄はほぼ毎日履いていますが、メンテナンスのおかげでかれこれ3年は活躍しています。
以上、一本歯下駄のお手入れについて、マイ一本歯下駄をお持ちの方はぜひお試しください。
何かご質問などございましたらまたお知らせください。
一本歯下駄や鼻緒の販売はもちろん、一本歯下駄の試し履き、一本歯下駄のメンテナンス(鼻緒の挿げ替え・調整、歯の裏のゴムの取り付け・交換、歯の交換以外)は大阪富田林のぴんぽん地球ス(テラス)内のんき屋で承っております。
ネットでの販売はのんき屋PEACE RUNセレクトショップでやっております。
不定期営業なのでお越しの際は事前に連絡いただけると助かります。
フェイスブックの公開グループ「一本歯下駄クラブ」もよろしくお願い致します。
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