宮崎要輔ブログ

宇佐美貴史選手が世界で活躍するためには

【宇佐美貴史選手が世界で活躍するためには】

宇佐美貴史選手と小野伸二選手という若い頃からその技術の高さが注目されてきた二人に共通することとして大腰筋が他のプロ選手と比較しても圧倒的に発達しているのではないかと考察している。

こう書くと大腰筋という筋肉の名前を耳にしたことがある人の中には「大腰筋が発達しているならば速く、そしてたくさんの回数走れるようになるんじゃないか?二人とも足がそれほど速いイメージも試合中にたくさんの回数走るイメージもないのにおかしい。」と思う人も多いのではないかと思う。

二人とも大腰筋が強く、だからこその蹴るだけではないボールタッチも含めた技術が高い。

大腰筋を発達させるにはつま先を上にあげた状態で膝を上げ下げする行為が有効的だが彼らが行うリフティングはまさにこの大腰筋を発達させる動きとなり、ボールを扱う練習がそのままボールを扱うために重要な筋肉のトレーニングとなっていたのではないかと考えられる。

 

では何故、大腰筋が発達した二人が大腰筋の発達のわりには走れないのか?
それは彼ら二人が常に地面と戦い続けているからである。

メッシやクリロナといった世界トップの選手が地面の反力を活かして走っているのに対して彼ら二人は常に地面と戦っているので本来のスピードも出せず疲れやすい走りとなっている。

ボールを蹴る、止めるという動きには大腰筋をおおいにいかしている二人ではあるが走るという動きにおいては全く大腰筋がいかされていない。

走れない選手というと持久力をはじめ身体能力としての体力の問題と思う方もいるかもしれないがその多くは走り込みが足りないことで持久力がないというよりかは走り方の問題であることもある。

二人のプレーや走りをみていると宇佐美貴史選手も小野伸二選手も小胸筋をはじめとした胸のかたさがひときわ目立つ。

例えば小野伸二選手のプレー集動画をみていると

ランニング時の後ろ姿において胸の硬さから肩甲骨の動きが極端に少ないことが確認できる。

宇佐美貴史選手も小野伸二選手も小胸筋をはじめとした胸の筋肉が硬いことで上体の力を走りにいかすことができず、それによって地面を蹴らざるをえない動きとなり、せっかく発達している大腰筋をいかせすハムストリングによる不自然な走りしかできない。

小野伸二選手と元チームメイトで走りが変わったことでプレイヤーとして格段に進化した選手の代表格といえば岡崎慎司選手であるが彼らがエスパルスでチームメイトだった時に共に走法指導を担当したのが元陸上選手の杉本龍勇氏である。

ここで改めて考察していきたいのは何故岡崎慎司選手はその後の彼の人生を変える程に走りが変わったのに対して小野伸二選手はそこまで変わることが出来なかったかの理由である。

これは杉本龍勇氏の指導が肩の位置からの指導が中心で肩及び肩甲骨をみている指導であったことがあげられる。

肩の位置とそれに伴った走り出しの指導によって岡崎慎司選手を劇的に変えることが出来た。ただエスパルス時代、胸をみること、小胸筋等の筋肉にアプローチするトレーニングは実施しなかったので胸の筋肉が硬い小野伸二選手の走りは岡崎選手と比べてそこまで変わることが出来なかったと考えられる。

岡崎慎司選手のプレー動画をみると肩の位置の素晴らしさと二人と比べて胸の筋肉に硬さがなく柔軟性があるのがみてとれる。

野球と比べて投げる動作があまりないことで肩の位置や肩甲骨にあまり意識が向いていなかったフットボールの世界でも近年は肩甲骨周りの能力を引き出すトレーニングや意識は向き始めている。

ただそれが肩の位置、肩甲骨の可動範囲、背中周りの柔軟性でとまっており胸へのアプローチができていないことで能力を発揮しきれていない選手が数多くいるように思われる。

小胸筋へアプローチするトレーニング、腕を振るのではなく振り下ろす走り方で走りにおいても大腰筋をいかすことが出来るようになることで宇佐美貴史選手はもちろんのこと今後今よりももっと多くの選手が世界で勝負できる可能性があるのが日本の可能性ではないだろうか。

小胸筋へのアプローチ実践編に続く

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