◀ トレイル・ウルトラ大図鑑 UTMF ─ YAMANASHI AND SHIZUOKA
富士を、一周する。

ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)

AROUND MOUNT FUJI ─ APRIL
山梨県・静岡県。富士山の周囲をぐるりと一周する、日本最大級のトレイルランニングレース。距離はおよそ165km、累積標高はおよそ8,000m。制限時間は40時間を超え、二度の夜を越えることになる。国内トレイルの最高峰と呼ばれ、参加には過去の完走実績が求められることが多い。走るというより、山を旅する行為に近い。
山梨県・静岡県例年 4月約165km/D+約8,000m二夜・国内最高峰クラス
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ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)とは

要点の要約

ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)は、富士山の周囲を一周する国内最大級のトレイルランニングレースである。山梨県・静岡県を舞台に例年4月開催。距離はおよそ165km、累積標高はおよそ8,000m。

制限時間は40時間を超え、二度の夜を越える。ここまで来ると、走力よりも睡眠不足への対処・装備計画・関門管理という総合力が問われる。参加には過去の完走実績が求められることが多く、いきなり挑戦できる大会ではない。数年かけて到達する目標として設計されている。

BASIC INFO

基本情報OVERVIEW

⚠ 開催日・距離・定員・参加費・制限時間・関門・必携装備・コースは年度によって変わります。とくにこの分野は必携装備が直前に更新されることがあります。エントリー前に必ず大会公式サイトで最新の要項をご確認ください。
項目内容
開催地山梨県・静岡県(富士山麓一周)
開催時期例年 4月※正確な開催日は公式で要確認
距離・累積標高約165km/D+およそ8,000m
制限時間40時間超※年度により異なる
夜間二度の夜を越える。睡眠不足への対処が必要
参加資格過去の完走実績やITRAポイントが必要になることが多い※要件は年度により変更
アクセス富士急行線・河口湖駅/富士山駅ほか※発着地点は公式で要確認
THE COURSE

富士を、外側から見続けるABOUT 165KM AND D+8000M

このコースの特異さは、同じ山をあらゆる角度から見ながら進むことにある。走るにつれて富士の見え方が変わり、それが自分の進んだ距離を教えてくれる。

標高の上下が絶えず続く

累積標高8,000mは、富士山を海抜0mから二度登るのに近い。一つひとつの登りは絶望的ではないが、それが延々と繰り返される。前半で脚を使い切れば、後半は歩くことすらつらくなる。

二度の夜

一度目の夜は体力があるぶん越えやすい。問題は二度目だ。累積した疲労に睡眠不足が重なり、幻覚に近い状態を報告するランナーもいる。ここをどう設計するかが、この大会の最大の課題になる。

路面は一様ではない

樹林帯、林道、舗装路、そして岩がちの区間。区間ごとに走り方を切り替える必要がある。具体的なコース・関門・エイド配置は年度により変わるため、公式のコース図で必ず確認を。

RACE STRATEGY

165kmと40時間の設計睡眠・装備・関門をどう組むか

この距離では、走り方より行動計画が結果を決める。どこで何をするかを事前に決めておく。

序盤
抑えすぎるくらいでちょうどいい。まだ150km残っている。周囲のペースに引きずられず、心拍を上げない速度で淡々と進む。ここでの節約が二日目に効く。
一度目の夜
暗くなる前に準備を終える。ヘッドライトの装着と保温着の着用は明るいうちに。手が冷えてからでは細かい作業ができない。
エイド滞在
やることを決めて入る。補給・給水・装備調整を何分で終えるか。座ったら立てなくなるのは本当に起きる。ドロップバッグ地点では特に時間を決めておく。
二度目の夜
眠気は必ず来る。短い仮眠を計画に織り込むか、カフェインで対処するか、方針を事前に決めておく。眠気による転倒と道迷いが最大のリスク。ふらつきを感じたら止まる。
終盤
歩いてもいい。ここまで来れば止まらないことが最優先。パワーウォークで確実に前へ進む。
撤退の判断
DNFは失敗ではない。低体温、強い痛み、意識の混濁。関門より先に自分で止める判断が、山では正しい選択になる。

完走までの時間の目安(約165km)

おおよその所要時間過ごし方の目安
上位層20時間台ほぼ止まらず二夜を越える
中位層30時間前後エイドで短い仮眠を挟む層が多い
完走ライン付近40時間近く関門との勝負。滞在時間の管理が生命線

※ 路面・天候・累積標高・エイドでの滞在時間で大きく変わります。制限時間と各関門の時刻は大会・年度により異なるため、必ず公式で確認してください。

GEAR AND CUT-OFF

必携装備と関門この大会で特に効くところ

40時間を山で過ごすということは、その間に起こりうる全ての天候に備えるということだ。装備は速く走るためではなく、動けなくなったときに生き延びるためにある。

  • レインウェア上下──防水性能の数値まで指定されることがある。要項の基準を必ず確認
  • ヘッドライトと予備電池──二夜ぶんの点灯時間が要る。予備は必須
  • 保温着──4月の富士山麓は夜間に氷点下近くまで下がることがある
  • マイカップ──使い捨てを出さない運用の大会が増えている
  • ドロップバッグの中身──着替え、電池、食べ慣れた補給食。どの地点で何を受け取るかを設計
  • エマージェンシーシート・ファーストエイド──使わないことを願う装備だが、これがないと出走できない

低体温症が、最大の敵

この大会で最も警戒すべきは低体温症だ。濡れた状態で風に当たれば、気温が氷点下でなくても体温は急速に奪われる。動けなくなった瞬間に発熱量が落ち、加速する。震えが止まらない、判断が鈍る、呂律が回らない——こうした兆候があれば直ちに救護へ申し出てください。

※ 必携装備・参加資格・関門・ドロップバッグの規格はいずれも年度により変わります。必ず最新の要項をご確認ください。

HOW TO CHECK

最新の開催情報を調べる要項の読み込みが、そのまま準備になる

日程・定員・参加費・関門・必携装備は年度で変わります。とくにこの分野は必携装備が直前に変更されることもあるため、一次情報の確認が欠かせません。

① 参加資格を最初に確認
完走実績やITRAポイントが必要になることが多い。数年前から逆算して、どの大会で資格を取るか決める。
② 必携装備の性能基準まで読む
防水性能など数値で指定される項目がある。前日までに全て揃え、背負って重量を体感しておく。
③ ドロップバッグ地点を設計する
どこで何を受け取るか。着替えと電池の配置が二夜を越える鍵になる。

四十時間、身体は
ずっと判断し続けている。

意識が朦朧としても、脚は動き続けなければならない。そのとき身体を運んでいるのは、考えて出した指示ではない。足裏が地面を読み、腱が衝撃を返し、軸が姿勢を保つ——脳が疲れ切ってもなお働くこの層があるかどうかで、二日目の夜の姿は変わる。長い距離は、鍛えたものではなく、育ったものを試してくる。

RECOVERY

レース後の過ごし方長時間動いた身体を、戻す

長距離レースの後の身体は、フルマラソンとは比較にならないダメージを負っている。165km・40時間の行動が身体に残すものは、フルマラソンの延長線上にはない。

直後〜1時間
止まらず、着替える。ゴール後すぐ座り込まず、ゆっくり歩いて呼吸を整える。山では汗が冷えると一気に体温を奪われる。乾いた服に着替え、上着を羽織る。水分と食べられるものを早めに。
当日
足の点検を先に。不整地では靴擦れ・爪下出血・擦過傷が起きやすい。入浴前に足指と爪を確認する。温めて、食べて、脚を高くして休む。
翌日
走らない。歩く。下りのダメージは大腿に深く残る。平坦な道をゆっくり歩くほうが回復は進みやすい。強い痛み・腫れ・しびれが残るなら医療機関へ
数日後
整えてから、戻す。呼吸と姿勢を整えることから始め、軽いジョグへ段階的に。長時間の不整地走の疲労は、自覚より深いことがある。

呼吸を深め、姿勢を整えるコンディショニングには、リカバリー向けの一本歯下駄TOTONOEも活用できます。※ 体調に不安があるとき、痛みが強いときは無理をせず医療機関を受診してください。

GLOSSARY

レース用語ミニ辞典知っておくと要項が読める

累積標高D+コース全体で登った標高差の合計。トレイルやウルトラでは距離以上に負荷を左右する指標。
関門(カットオフ)CUT-OFF指定時刻までに通過できないと先へ進めない地点。長距離レースでは完走の可否がここで決まる。
必携装備MANDATORY GEAR主催者が携行を義務づける装備。レインウェア・ライト・カップ等。不備は出走不可や失格の対象になる。
パワーウォークPOWER WALK急な登りで走らずに速く歩く技術。長距離では走るより効率がよい場面が多い。
テクニカルTECHNICAL岩・木の根・急斜面など走行が難しい路面の総称。走力より足の置き方が問われる。
エイドステーションAID給水・補給・救護の拠点。長距離レースでは装備確認や休息の場にもなる。
グロスタイムGROSS号砲から計測した時間。関門の判定に使われることが多い。
DNFDID NOT FINISH完走できずにレースを終えること。長距離では珍しくなく、判断としての撤退も含む。
固有受容感覚PROPRIOCEPTION関節や筋、足裏から得る自分の身体の位置・傾き・圧の感覚。不整地では特に重要。
腱優位TENDON-DOMINANT筋で固めず腱の弾性で衝撃をいなし、次の一歩へ返す身体の使い方。
ナイトセクションNIGHT SECTION日没後に走る区間。ヘッドライトが必須で、体温低下と眠気への備えが要る。
ITRAポイントITRA国際トレイルランニング協会が大会の距離と累積標高から算定する指標。上位大会の参加資格に使われることがある。
ドロップバッグDROP BAG事前に預けて指定地点で受け取る荷物。着替えや補給を中継地点に送れる。
睡眠不足対応SLEEP数十時間に及ぶレースで生じる眠気への対処。仮眠・カフェイン・ペース調整で管理する。

※ 用語の運用は大会ごとに異なります。必ず参加する大会の要項をご確認ください。

SIGHTSEEING

大会前後に楽しむ 周辺スポット&穴場富士山麓|地図つき

富士山麓は温泉と湖に恵まれている。レース後に数日滞在する価値がある。

地図を読み込めない場合は、各スポットの「Googleマップで見る」からご確認ください。

定番

河口湖・富士五湖
湖畔から富士を望む。走ったコースを対岸から眺められる。
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山中湖温泉 紅富士の湯
富士を望む日帰り温泉。長時間行動の後の身体を休められる。
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忍野八海
湧水の池が並ぶ集落。世界文化遺産の構成資産で、平坦に歩ける。
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穴場

本栖湖
千円札に描かれた逆さ富士の湖。人が少なく静か。
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富士山本宮浅間大社(富士宮)
全国の浅間神社の総本宮。湧玉池の水が美しい。
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田貫湖
富士の展望に優れた静かな湖。キャンプ地としても知られる。
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地図を読み込めない場合は、各スポットの「Googleマップで見る」からご確認ください。

※ 各スポットの「Googleマップで見る」から地図・経路・営業情報を確認できます。山間部の施設は季節により営業状況が変わります。

BODY BUILDING

不整地を越える身体づくり足裏から、路面を読む身体へ

足裏で、路面を読む

不整地では一歩ごとに地面の形が変わる。足裏の固有受容感覚が鋭ければ、岩や根の上でも接地の瞬間に微調整が働き、足首を捻らずに通過できる。感覚が鈍いほど、目で見て脳で判断してからでは間に合わない。

腱で、下りの衝撃をいなす

トレイルの下りは、ロードの比ではない衝撃が連続する。筋の力で受け止め続ければ大腿と膝が数時間でつぶれる。アキレス腱やふくらはぎの腱の弾性で吸収し、弾んで next の一歩へ返す腱優位の身体なら、下りが脚を削る区間から進む区間に変わる。

傾斜が変わっても、軸を保つ

登り・下り・トラバースと姿勢が絶えず変わる。骨盤から上に一本の軸が通っていれば、傾きの中でも無駄なく身体を運べる。軸が曖昧だと一歩ごとに立て直しの力が要り、それが十数時間分積み上がる。

一本歯下駄は、不整地の予習になる

不安定な一本の歯の上に立つと、身体は足裏の感覚を研ぎ澄まし、筋で固めるのをやめて腱で微調整を始め、中心に軸を探す。これはトレイルで起きていることと同じ構造だ。山に入れない日でも、足裏と腱と軸を育てておける。

▶ さらに詳しく:マラソン・長距離ランナーと一本歯下駄|腱弾性で走りを変える45日プロトコル腱優位システム完全解説ヒラメ筋と一本歯下駄バランストレーニングの選び方完全ガイド

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市民ランナーの走りを改善する一本歯下駄理論あります。

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FAQ

よくある質問ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF) Q&A

UTMFとはどんな大会ですか?

山梨県・静岡県で例年4月に開催される、富士山の周囲を一周する国内最大級のトレイルランニングレースです。距離はおよそ165km、累積標高はおよそ8,000m。制限時間は40時間を超え、二度の夜を越えることになります。国内トレイルの最高峰と位置づけられ、参加には過去の完走実績が求められることが多い大会です。

誰でも参加できますか?

多くの年度で参加資格が設けられています。指定された大会での完走実績やITRAポイントが必要になることが一般的で、抽選が行われる場合もあります。資格要件と対象大会は年度により変わるため、狙う場合は数年前から逆算して公式で確認してください。

二日間眠らずに走るのですか?

完走までに二度の夜を越えるため、睡眠不足への対処が必要になります。エイドで短時間の仮眠を取るランナーもいれば、カフェインで乗り切るランナーもいます。どちらが正解ということはなく、事前の長時間走で自分の限界を知っておくことが唯一の準備です。眠気による転倒や道迷いは実際に起きるため、無理をしないでください。

ドロップバッグとは何ですか?

事前に預けて指定地点で受け取れる荷物のことです。着替え、予備の電池、食べ慣れた補給食などを中継地点に送れます。長距離レースでは装備計画の中心になるため、どの地点で何を受け取るかを事前に設計しておきます。設置地点と規格は年度により異なるため公式で確認を。

必携装備は何が要りますか?

レインウェア上下、ヘッドライトと予備電池、保温着、携帯電話、飲料、非常食、ファーストエイド、エマージェンシーシート、マイカップなどが一般的に指定されます。防水性能の数値まで指定されることがあり、装備検査で不備があれば出走できません。前日までに全て揃え、実際に背負って重量を体感しておいてください。

4月の富士山麓は寒いですか?

標高が高く、夜間は氷点下近くまで下がることがあります。加えて雨や雪に当たる可能性も低くありません。濡れた状態で風に当たれば体温は急速に奪われます。低体温症はこの大会で最も警戒すべきリスクで、寒いと感じてから着るのでは遅いため、稜線に出る前・日没前に一枚着る習慣をつけてください。

関門はどう考えればいいですか?

関門はいくつも設定され、号砲からの経過時間で判定されるのが一般的です。エイドでの滞在時間が積み上がるため、走行時間だけで計算すると必ず足りなくなります。各関門の閉鎖時刻を一覧にして携行し、走りながら計算しないこと。制限時間・関門時刻は年度により異なるため公式で確認してください。

一本歯下駄はこの大会の練習に役立ちますか?

役立ちます。165kmの不整地では、一歩ごとの接地の質と、下りの衝撃をどう受けるかが積み上がって結果になります。一本歯下駄は不安定な一本の歯の上でバランスを取ることで、足裏の固有受容感覚を高め、衝撃を腱でいなす動きと、ぶれない軸を同時に育てます。山に入れない日でも土台を育てておける点が、練習量が必要なこの距離では実用的です。一本歯下駄GETTAは合同会社GETTAプランニングが開発・製造・販売しています。

一本歯下駄の使い方を直接教わることはできますか?

はい。全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。詳しくはインストラクターネットワークのサイト(instructor.getta.jp)をご覧ください。

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足裏の解像度、腱で弾む動き、ぶれない軸──二夜を越える不整地で崩れない身体づくりを、一歩ごとに足裏から始める道具。目的に合わせて、三つの下駄がある。

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APEX ─ 二枚歯下駄
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開発・製造・販売:合同会社GETTAプランニング
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