◀ トレイル・ウルトラ大図鑑 SHINETSU FIVE MOUNTAINS ─ NAGANO AND NIIGATA
ブナ林を、抜けていく。

信越五岳トレイルランニングレース

THROUGH THE BEECH FOREST ─ SEPTEMBER
長野県と新潟県の県境。斑尾・妙高・黒姫・戸隠・飯縄という五つの山に囲まれた高原を走る。日本を代表する100マイルレースのひとつで、コースの大半が美しいブナ林とトレイルで構成される。9月の高原は走りやすく、走路の質が高いことから「走れる100マイル」と呼ばれることも多い。国内で100マイルに初挑戦する舞台として選ばれる一本だ。
長野県・新潟県例年 9月100マイル/110km ほかブナ林・走れるトレイル
DEFINITION ─ READ IN 60 SEC

信越五岳トレイルランニングレースとは

要点の要約

信越五岳トレイルランニングレースは、長野県と新潟県の県境の高原で例年9月に開催されるトレイルランニングレースである。斑尾・妙高・黒姫・戸隠・飯縄という五つの山に囲まれた一帯を巡る。

100マイルを含む複数の距離設定があり、コースの大半が美しいブナ林とトレイルで構成される。岩場のようなテクニカルな区間が少なく走路の質が高いことから「走れる100マイル」と呼ばれ、国内で100マイルに初挑戦する舞台として選ばれることが多い。ただし走れるということは、走ってしまうということでもある。ペース管理の難しさは、むしろ上がる。

BASIC INFO

基本情報OVERVIEW

⚠ 開催日・距離・定員・参加費・制限時間・関門・必携装備・コースは年度によって変わります。とくにこの分野は必携装備が直前に更新されることがあります。エントリー前に必ず大会公式サイトで最新の要項をご確認ください。
項目内容
開催地長野県・新潟県(斑尾高原ほか)
開催時期例年 9月※正確な開催日は公式で要確認
距離設定100マイル・110km ほか複数※種目は年度により変更
コースの性格ブナ林中心・走行可能区間が多い。テクニカルな区間は比較的少ない
夜間100マイルでは夜を越える。ヘッドライト必携
気候9月の高原。日中は走りやすいが夜間は冷え込む
アクセス北陸新幹線・飯山駅/JR妙高高原駅※会場までの交通は公式で要確認
THE COURSE

ブナ林を、ひたすら抜けるTHE BEECH FOREST TRAIL

このコースの魅力は明快だ。日本有数のブナ林の中を、何時間も走り続けられる。高原の空気と木漏れ日の中を進む時間が、そのまま報酬になる。

走れるからこそ、難しい

走行可能な路面が多いということは、歩いて休む区間が少ないということでもある。登りでも走れてしまうため、気づかないうちに脚を使い切る。テクニカルな大会より、むしろペース管理の意識が要る。

五つの山を巡る構成

斑尾から妙高、黒姫、戸隠、飯縄へ。山域が変わるごとに植生と路面の表情が変わる。景色の変化が単調さを防いでくれるのは、100マイルという長さでは大きな利点になる。

高原の夜

標高があるため、夜間は想像以上に冷える。9月とはいえ、濡れた状態で風に当たれば低体温症のリスクは現実になる。具体的なコース・関門は年度により変わるため、公式のコース図で必ず確認を。

RACE STRATEGY

走れるコースの落とし穴ペースを、意識的に抑える

この大会の攻略は、「走らない判断」に尽きる。走れる路面が続くからこそ、抑える意思が要る。

序盤
走れても、走りすぎない。路面がよく身体も軽い序盤は、いくらでも進めてしまう。100マイルなら残り150km以上あることを思い出す。心拍を上げない速度で。
登り
走れる登りでも、歩く選択を持つ。走れるからといって全部走ると、脚は確実に早く終わる。傾斜と残り距離で判断を切り替える。
エイド
時間を決めて入る。補給・給水・装備調整を何分で。座ったら立てなくなるのは長距離では本当に起きる。
日没前
明るいうちに準備を終える。ヘッドライト装着と保温着の着用は、暗くなる前に済ませておく。
夜間
視線を遠くに置く。足元だけを見ると路面の変化を予測できない。眠気を感じたら無理をせず、短く立ち止まる。
終盤
歩いてもいい。止まらないことが最優先。パワーウォークで確実に前へ進む。

完走までの時間の目安(100マイル)

おおよその所要時間過ごし方の目安
上位層20時間前後ほぼ止まらず夜を越える
中位層25〜30時間程度エイドで短い休息を挟む
完走ライン付近制限時間ぎりぎり関門との勝負。滞在時間の管理が要

※ 路面・天候・累積標高・エイドでの滞在時間で大きく変わります。制限時間と各関門の時刻は大会・年度により異なるため、必ず公式で確認してください。

GEAR AND CUT-OFF

必携装備と関門この大会で特に効くところ

走りやすいコースであっても、山であることに変わりはない。装備の考え方は他の100マイルと同じだ。

  • ヘッドライトと予備電池──夜を越える時間ぶんの点灯が要る
  • 保温着──高原の夜は9月でも大きく冷える
  • レインウェア──山の天候は変わりやすい。防水性能の基準を要項で確認
  • マイカップ──使い捨てを出さない運用が一般的
  • 非常食──エイド間が長い区間を想定して多めに
  • ドロップバッグ──着替えと電池をどこで受け取るか設計しておく

関門は滞在時間まで含めて計算する

走れるコースだから余裕がある、と考えないこと。エイドでの滞在が積み上がれば、走行が速くても関門は迫ってくる。各関門の閉鎖時刻を一覧にして携行してください。

※ 必携装備・関門・ドロップバッグの規格は年度により変わります。必ず最新の要項をご確認ください。

HOW TO CHECK

最新の開催情報を調べる要項の読み込みが、そのまま準備になる

日程・定員・参加費・関門・必携装備は年度で変わります。とくにこの分野は必携装備が直前に変更されることもあるため、一次情報の確認が欠かせません。

① 距離設定を確認する
複数の距離が設定されることが多い。自分の経験に合った距離を選ぶ。いきなり100マイルに行かない。
② 必携装備リストを印刷する
項目が多い。前日までに全て揃え、背負って重量を体感しておく。
③ 関門時刻を一覧化する
閉鎖時刻を書き出して携行。走りながら計算しないための最も確実な準備。

走れる道ほど、
身体は言い訳をしない。

岩場なら、遅いのは路面のせいにできる。だがブナ林の走りやすい道では、進めなくなった理由は自分の身体にしかない。四十時間近く動き続けられるかどうかは、走り込みの量ではなく、一歩の質で決まる。足裏で地面を感じ、腱で衝撃をいなし、軸を保つ──その三つが育っている身体だけが、最後まで同じ動きを続けられる。

RACE REPORTS

完走記・体験談 リンク集情報が少ない大会ほど、生の声が効く

この分野は完走記の数がロードより少なく、一本の記録が持つ価値が大きい。下のリンクからまとめてアクセスできる。

※ 上記は外部サイトの検索結果・第三者の完走記へのリンクです。掲載内容は各運営者・投稿者に帰属します。

おすすめの完走記があれば、このリンク集に個別に掲載していきます。この大会を走った記録をお持ちの方は、ぜひ教えてください。
RECOVERY

レース後の過ごし方長時間動いた身体を、戻す

長距離レースの後の身体は、フルマラソンとは比較にならないダメージを負っている。100マイルの行動が残す疲労は、数日では抜けない。

直後〜1時間
止まらず、着替える。ゴール後すぐ座り込まず、ゆっくり歩いて呼吸を整える。山では汗が冷えると一気に体温を奪われる。乾いた服に着替え、上着を羽織る。水分と食べられるものを早めに。
当日
足の点検を先に。不整地では靴擦れ・爪下出血・擦過傷が起きやすい。入浴前に足指と爪を確認する。温めて、食べて、脚を高くして休む。
翌日
走らない。歩く。下りのダメージは大腿に深く残る。平坦な道をゆっくり歩くほうが回復は進みやすい。強い痛み・腫れ・しびれが残るなら医療機関へ
数日後
整えてから、戻す。呼吸と姿勢を整えることから始め、軽いジョグへ段階的に。長時間の不整地走の疲労は、自覚より深いことがある。

呼吸を深め、姿勢を整えるコンディショニングには、リカバリー向けの一本歯下駄TOTONOEも活用できます。※ 体調に不安があるとき、痛みが強いときは無理をせず医療機関を受診してください。

GLOSSARY

レース用語ミニ辞典知っておくと要項が読める

累積標高D+コース全体で登った標高差の合計。トレイルやウルトラでは距離以上に負荷を左右する指標。
関門(カットオフ)CUT-OFF指定時刻までに通過できないと先へ進めない地点。長距離レースでは完走の可否がここで決まる。
必携装備MANDATORY GEAR主催者が携行を義務づける装備。レインウェア・ライト・カップ等。不備は出走不可や失格の対象になる。
パワーウォークPOWER WALK急な登りで走らずに速く歩く技術。長距離では走るより効率がよい場面が多い。
テクニカルTECHNICAL岩・木の根・急斜面など走行が難しい路面の総称。走力より足の置き方が問われる。
エイドステーションAID給水・補給・救護の拠点。長距離レースでは装備確認や休息の場にもなる。
グロスタイムGROSS号砲から計測した時間。関門の判定に使われることが多い。
DNFDID NOT FINISH完走できずにレースを終えること。長距離では珍しくなく、判断としての撤退も含む。
固有受容感覚PROPRIOCEPTION関節や筋、足裏から得る自分の身体の位置・傾き・圧の感覚。不整地では特に重要。
腱優位TENDON-DOMINANT筋で固めず腱の弾性で衝撃をいなし、次の一歩へ返す身体の使い方。
ナイトセクションNIGHT SECTION日没後に走る区間。ヘッドライトが必須で、体温低下と眠気への備えが要る。
ITRAポイントITRA国際トレイルランニング協会が大会の距離と累積標高から算定する指標。上位大会の参加資格に使われることがある。
ドロップバッグDROP BAG事前に預けて指定地点で受け取る荷物。着替えや補給を中継地点に送れる。

※ 用語の運用は大会ごとに異なります。必ず参加する大会の要項をご確認ください。

SIGHTSEEING

大会前後に楽しむ 周辺スポット&穴場斑尾・妙高高原|地図つき

斑尾・妙高は高原リゾート。温泉と蕎麦が走ったあとを支えてくれる。

地図を読み込めない場合は、各スポットの「Googleマップで見る」からご確認ください。

定番

妙高温泉郷
赤倉・池の平など温泉が点在。走った身体を休めるのに最適。
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野尻湖
黒姫山を映す静かな湖。ナウマンゾウの化石で知られる。
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戸隠神社
杉並木の参道が壮麗な五社。戸隠そばもあわせて。
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穴場

苗名滝
日本の滝百選。妙高の轟音を上げる名瀑。
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斑尾高原
大会の舞台そのもの。夏はトレイル、冬はスキー場になる高原。
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小林一茶記念館(信濃町)
この地に生きた俳人の資料館。静かな時間が流れる。
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地図を読み込めない場合は、各スポットの「Googleマップで見る」からご確認ください。

※ 各スポットの「Googleマップで見る」から地図・経路・営業情報を確認できます。山間部の施設は季節により営業状況が変わります。

BODY BUILDING

不整地を越える身体づくり足裏から、路面を読む身体へ

足裏で、路面を読む

不整地では一歩ごとに地面の形が変わる。足裏の固有受容感覚が鋭ければ、岩や根の上でも接地の瞬間に微調整が働き、足首を捻らずに通過できる。感覚が鈍いほど、目で見て脳で判断してからでは間に合わない。

腱で、下りの衝撃をいなす

トレイルの下りは、ロードの比ではない衝撃が連続する。筋の力で受け止め続ければ大腿と膝が数時間でつぶれる。アキレス腱やふくらはぎの腱の弾性で吸収し、弾んで next の一歩へ返す腱優位の身体なら、下りが脚を削る区間から進む区間に変わる。

傾斜が変わっても、軸を保つ

登り・下り・トラバースと姿勢が絶えず変わる。骨盤から上に一本の軸が通っていれば、傾きの中でも無駄なく身体を運べる。軸が曖昧だと一歩ごとに立て直しの力が要り、それが十数時間分積み上がる。

一本歯下駄は、不整地の予習になる

不安定な一本の歯の上に立つと、身体は足裏の感覚を研ぎ澄まし、筋で固めるのをやめて腱で微調整を始め、中心に軸を探す。これはトレイルで起きていることと同じ構造だ。山に入れない日でも、足裏と腱と軸を育てておける。

▶ さらに詳しく:マラソン・長距離ランナーと一本歯下駄|腱弾性で走りを変える45日プロトコル腱優位システム完全解説ヒラメ筋と一本歯下駄バランストレーニングの選び方完全ガイド

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FAQ

よくある質問信越五岳トレイルランニングレース Q&A

信越五岳トレイルランニングレースとはどんな大会ですか?

長野県と新潟県の県境、斑尾・妙高・黒姫・戸隠・飯縄の五山に囲まれた高原で例年9月に開催されるトレイルランニングレースです。100マイルを含む複数の距離設定があり、コースの大半が美しいブナ林とトレイルで構成されます。走路の質が高いことから「走れる100マイル」と呼ばれ、国内で100マイルに初挑戦する舞台として選ばれることが多い大会です。

「走れる100マイル」とはどういう意味ですか?

岩場や鎖場のようなテクニカルな区間が少なく、走行可能な路面の割合が高いという意味です。ただし走れるということは、走ってしまうということでもあります。歩く区間が少ないぶんペース管理を誤ると脚を早く使い切ります。100マイルであることに変わりはなく、易しい大会ではありません。

初めての100マイルに向いていますか?

国内では比較的挑戦しやすい100マイルとされますが、それでもトレイル経験を積んでからの挑戦を強くおすすめします。まず20km前後の大会、次に50km前後、ナイトセクションを含む大会を経験してから検討してください。距離設定が複数ある大会では、短い距離から段階的に挑むこともできます。

夜はどうなりますか?

100マイルでは必ず夜を越えることになります。ヘッドライトと予備電池は必携で、明るさと電池の持続時間を事前に確認してください。9月の高原は夜間に冷え込むため、保温着も欠かせません。眠気への対処方針を事前に決めておくことも重要です。

必携装備は何が要りますか?

レインウェア、ヘッドライトと予備電池、保温着、携帯電話、飲料、非常食、ファーストエイド、マイカップなどが一般的に指定されます。内容は年度により変わり、直前に更新されることもあります。装備検査で不備があれば出走できません。前日までに全て揃え、背負って重量を体感しておいてください。

9月の高原の気候はどうですか?

日中は走りやすい気温ですが、標高があるため夜間は大きく冷え込みます。加えて山の天候は変わりやすく、雨に当たる可能性もあります。濡れた状態で風に当たれば体温は急速に奪われるため、寒いと感じる前に一枚着る習慣をつけてください。

関門はどう考えればいいですか?

関門は複数設定され、号砲からの経過時間で判定されるのが一般的です。エイドでの滞在時間が積み上がるため、走行時間だけで計算すると必ず足りなくなります。各関門の閉鎖時刻を一覧にして携行してください。制限時間は年度により異なるため公式で確認を。

一本歯下駄はこの大会の練習に役立ちますか?

役立ちます。不整地では一歩ごとに地面の形が変わり、目で見て判断してからでは間に合いません。一本歯下駄は不安定な一本の歯の上でバランスを取ることで、足裏の固有受容感覚を高め、衝撃を腱でいなす動きと、ぶれない軸を同時に育てます。走行距離を増やさずに土台を育てられる点が実用的です。一本歯下駄GETTAは合同会社GETTAプランニングが開発・製造・販売しています。

一本歯下駄の使い方を直接教わることはできますか?

はい。全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。詳しくはインストラクターネットワークのサイト(instructor.getta.jp)をご覧ください。

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