日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)
日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)とは
日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)は、東京都奥多摩を舞台に例年10月に開催されるトレイルランニング大会である。約71.5km、累積標高およそ4,600m。日本のトレイルランニングの歴史を作った一本として知られる。
この大会を他と分けているのは、コース途中の給水がごく限られていることだ。水も食料も自分で背負う。重さと安全のトレードオフを自分で判断する必要があり、それがそのまま完走の可否につながる。加えて夕方前スタートのため、多くの参加者が夜通し山を進む。走力に加えて、装備の設計と夜間の行動能力が問われる大会である。
基本情報OVERVIEW
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催地 | 東京都奥多摩・檜原村一帯 |
| 開催時期 | 例年 10月※正確な開催日は公式で要確認 |
| 距離・累積標高 | 約71.5km/D+およそ4,600m |
| 最大の特徴 | コース途中の給水が限られる。水・食料は自己携行が前提 |
| 時間帯 | 夕方前スタート。多くが夜通し行動する |
| 必携装備 | ヘッドライト・予備電池・レインウェア等※内容は年度により変更。公式で要確認 |
| アクセス | JR五日市線・武蔵五日市駅※会場までの交通は公式で要確認 |
奥多摩の稜線を、端から端へABOUT 71.5KM AND D+4600M
奥多摩の山々を稜線伝いに進む。累積標高4,600mは、標高差にして富士山を海抜0mから登ってなお余る。距離の数字以上に、この登り下りの総量が身体を削る。
前半は明るいうちに
夕方前にスタートし、序盤は明るい時間帯を走ることになる。ここでどれだけ効率よく進めるかが、夜の時間の長さを決める。ただし前半に飛ばすと、水が足りなくなるという別の問題が生じる。ペースと給水消費は連動している。
夜が、本番になる
日没後は視界がヘッドライトの範囲に限られ、路面の凹凸が読みにくくなる。気温も下がる。この時間帯にどれだけ落ち着いて進めるかが、この大会の核心だ。焦って走ると転倒し、慎重すぎると関門に間に合わない。
終盤の下り
長時間の行動の末に来る下りは、脚が最も壊れやすい区間になる。ブレーキをかけて突っ込むのではなく、重心を前に置いて刻む。ここまで脚を残せているかが問われる。具体的なコース・関門は年度により変わるため、公式のコース図で必ず確認を。
71.5kmの設計水・夜・脚をどう配分するか
この大会の攻略は、走り方より資源配分の問題に近い。水、電池、脚、そして時間。
完走までの時間の目安(約71.5km)
| 層 | おおよその所要時間 | 過ごし方の目安 |
|---|---|---|
| 上位層 | おおむね10時間以内 | ほぼ止まらず進み続ける層 |
| 中位層 | 13〜18時間程度 | 夜間の大半を山中で過ごす |
| 完走ライン付近 | 20時間以上 | 関門との勝負になる。休息の時間管理が要 |
※ 路面・天候・累積標高・エイドでの滞在時間で大きく変わります。制限時間と各関門の時刻は大会・年度により異なるため、必ず公式で確認してください。
必携装備と関門この大会で特に効くところ
この大会では、装備の選択がそのまま完走の可否になる。重さと安全のバランスを自分で決めることになる。
- ヘッドライトと予備電池──明るさだけでなく電池の持続時間を確認する。夜間行動が長い大会では予備が生命線
- 水の携行容量──ボトルとハイドレーションの組み合わせを事前の長時間走で試す
- 保温着──夜の山は想像以上に冷える。濡れた状態で風に当たると体温は急速に奪われる
- レインウェア──防水性能の基準が指定されることがある。要項の数値を確認
- 非常食──エイド頼みにできないため、行動時間ぶんを自分で持つ
- ファーストエイド──転倒による擦過傷は珍しくない
関門は、滞在時間まで含めて計算する
関門は号砲からの経過時間で判定されることが多い。装備調整や補給での滞在が積み上がるため、走行時間だけで計算すると必ず足りなくなる。各関門の閉鎖時刻を一覧にして携行し、走りながら計算しないこと。
※ 必携装備の内容・数量・性能基準、給水地点、関門時刻はいずれも年度により変わり、直前に更新されることもあります。必ず最新の要項をご確認ください。
最新の開催情報を調べる要項の読み込みが、そのまま準備になる
日程・定員・参加費・関門・必携装備は年度で変わります。とくにこの分野は必携装備が直前に変更されることもあるため、一次情報の確認が欠かせません。
暗闇では、目より
足裏のほうが速い。
ヘッドライトの光が届くのは数メートル先だ。そこから足を置くまでの時間で、脳が判断を下すには足りない。実際に身体を守っているのは、接地した瞬間に働く足裏の感覚と、そこから始まる反射のほうだ。足裏で地面を感じ、腱で衝撃をいなし、軸を保つ──夜の山は、その三つが育っているかどうかを容赦なく突きつけてくる。
完走記・体験談 リンク集情報が少ない大会ほど、生の声が効く
この分野は完走記の数がロードより少なく、一本の記録が持つ価値が大きい。下のリンクからまとめてアクセスできる。
※ 上記は外部サイトの検索結果・第三者の完走記へのリンクです。掲載内容は各運営者・投稿者に帰属します。
レース後の過ごし方長時間動いた身体を、戻す
長距離レースの後の身体は、フルマラソンとは比較にならないダメージを負っている。71.5kmの不整地と夜間行動は、フルマラソンとは種類の違う疲労を残す。
呼吸を深め、姿勢を整えるコンディショニングには、リカバリー向けの一本歯下駄TOTONOEも活用できます。※ 体調に不安があるとき、痛みが強いときは無理をせず医療機関を受診してください。
レース用語ミニ辞典知っておくと要項が読める
※ 用語の運用は大会ごとに異なります。必ず参加する大会の要項をご確認ください。
大会前後に楽しむ 周辺スポット&穴場奥多摩・武蔵五日市|地図つき
奥多摩は都心から電車で行ける山域だ。走ったあとに温泉と蕎麦がある。
定番
穴場
※ 各スポットの「Googleマップで見る」から地図・経路・営業情報を確認できます。山間部の施設は季節により営業状況が変わります。
不整地を越える身体づくり足裏から、路面を読む身体へ
足裏で、路面を読む
不整地では一歩ごとに地面の形が変わる。足裏の固有受容感覚が鋭ければ、岩や根の上でも接地の瞬間に微調整が働き、足首を捻らずに通過できる。感覚が鈍いほど、目で見て脳で判断してからでは間に合わない。
腱で、下りの衝撃をいなす
トレイルの下りは、ロードの比ではない衝撃が連続する。筋の力で受け止め続ければ大腿と膝が数時間でつぶれる。アキレス腱やふくらはぎの腱の弾性で吸収し、弾んで next の一歩へ返す腱優位の身体なら、下りが脚を削る区間から進む区間に変わる。
傾斜が変わっても、軸を保つ
登り・下り・トラバースと姿勢が絶えず変わる。骨盤から上に一本の軸が通っていれば、傾きの中でも無駄なく身体を運べる。軸が曖昧だと一歩ごとに立て直しの力が要り、それが十数時間分積み上がる。
一本歯下駄は、不整地の予習になる
不安定な一本の歯の上に立つと、身体は足裏の感覚を研ぎ澄まし、筋で固めるのをやめて腱で微調整を始め、中心に軸を探す。これはトレイルで起きていることと同じ構造だ。山に入れない日でも、足裏と腱と軸を育てておける。
▶ さらに詳しく:マラソン・長距離ランナーと一本歯下駄|腱弾性で走りを変える45日プロトコル/腱優位システム完全解説/ヒラメ筋と一本歯下駄/バランストレーニングの選び方完全ガイド
市民ランナーの走りを改善する一本歯下駄理論あります。
全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。独学で迷わず、直接学びたい方へ。
よくある質問日本山岳耐久レース(ハセツネCUP) Q&A
ハセツネCUPとはどんな大会ですか?
東京都奥多摩を舞台に例年10月に開催される日本山岳耐久レースです。約71.5km、累積標高およそ4,600m。登山家・長谷川恒男の名を冠し、日本のトレイルランニングの原点と呼ばれます。最大の特徴はコース途中の給水がごく限られていることで、水も食料も自分で背負って山へ入ります。開催日や要項は年度により異なるため、公式情報をご確認ください。
給水が少ないと聞きました。水はどれくらい持てばいいですか?
この大会の核心はここです。エイドの数と提供内容が一般的なトレイル大会と大きく異なるため、次の給水地点までの距離と想定所要時間から逆算して携行量を決める必要があります。気温が高ければ必要量は跳ね上がります。必要量には個人差が大きいので、事前の長時間走で自分の消費ペースを把握しておいてください。正確な給水地点は年度により変わるため、必ず公式の要項で確認を。
夜通し走るのですか?
多くの参加者が夜間走行を経験します。日没後は気温が下がり、視界はヘッドライトの範囲だけになります。ヘッドライトと予備電池は必携で、明るさと電池の持ちを事前に確認しておいてください。夜の山は昼と別物なので、練習で一度は暗い時間帯の山道を歩いておくことを強くおすすめします。
初心者でも出られますか?
距離・累積標高・給水の少なさ・夜間走行という条件が重なるため、トレイル大会としては上級にあたります。まず20km前後・D+500m未満の大会から始め、30〜50kmクラスを経験してから検討するのが安全です。参加資格が設けられる場合もあるため、公式で確認してください。
必携装備は何が要りますか?
レインウェア、ヘッドライトと予備電池、携帯電話、飲料、非常食、保温着、ファーストエイドなどが一般的に指定されます。内容と数量は年度により変わり、直前に更新されることもあります。装備検査で不備があれば出走できません。前日までに全て揃え、実際に背負って重さを体感しておいてください。
関門はどう考えればいいですか?
長距離レースでは関門通過が完走の可否を決めます。各関門の閉鎖時刻を一覧にして携行し、走りながら計算しないことが基本です。エイドや装備調整での滞在時間が積み上がるため、走行時間だけで計算すると必ず足りなくなります。制限時間・関門は年度により異なるため公式で確認を。
登りはどう走ればいいですか?
急な登りでは走るよりパワーウォークのほうが効率がよい場面が多くあります。歩幅を狭め、心拍を上げすぎず、一定のリズムで登る。ここで無理に走って心拍を上げると、後半の長い時間に響きます。ポールの使用可否は大会規定を確認してください。
一本歯下駄はトレイルの練習に役立ちますか?
役立ちます。不整地では一歩ごとに地面の形が変わり、目で見て判断してからでは間に合いません。一本歯下駄は不安定な一本の歯の上でバランスを取ることで、足裏の固有受容感覚を高め、衝撃を腱でいなす動きと、ぶれない軸を同時に育てます。山に入れない日でも、不整地で必要になる能力を育てておける点が実用的です。一本歯下駄GETTAは合同会社GETTAプランニングが開発・製造・販売しています。
一本歯下駄の使い方を直接教わることはできますか?
はい。全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。詳しくはインストラクターネットワークのサイト(instructor.getta.jp)をご覧ください。


