◀ トレイル・ウルトラ大図鑑 FUJI MOUNTAIN RACE ─ YAMANASHI
ゴールは、日本一高い場所。

富士登山競走

TO THE SUMMIT ─ JULY
山梨県富士吉田市。市役所前をスタートし、富士山の山頂まで駆け上がる。距離約21km、標高差はおよそ3,000m。距離だけ見ればハーフマラソンだが、その全てが登りである。関門が非常に厳しく、山頂コースに挑むには五合目コースでの実績が求められるのが通例だ。日本でもっとも垂直な21kmとして知られる。
山梨県富士吉田市例年 7月約21km/標高差約3,000m全区間が登り・関門が厳しい
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富士登山競走とは

要点の要約

富士登山競走は、山梨県富士吉田市で例年7月に開催される登山競走である。市役所前をスタートし、富士山の山頂を目指す。距離は約21km、標高差はおよそ3,000m。

数字だけ見ればハーフマラソンだが、その全てが登りである。序盤は舗装路、中盤から登山道に入り、終盤は岩がちの斜面を這うように進む。関門が非常に厳しいことでも知られ、山頂コースに挑むには五合目コースでの完走実績が求められるのが通例だ。加えて高山病と低体温症という、ロードにはないリスクが待っている。

BASIC INFO

基本情報OVERVIEW

⚠ 開催日・距離・定員・参加費・制限時間・関門・必携装備・コースは年度によって変わります。とくにこの分野は必携装備が直前に更新されることがあります。エントリー前に必ず大会公式サイトで最新の要項をご確認ください。
項目内容
開催地山梨県富士吉田市〜富士山頂
開催時期例年 7月※正確な開催日は公式で要確認
距離・標高差約21km/標高差およそ3,000m
コース山頂コース/五合目コース※種目は公式で要確認
参加資格山頂コースは五合目コースの実績が必要になるのが通例※要件は年度により変更
関門非常に厳しい。関門通過が完走の可否を決める
特有のリスク高山病・低体温症。標高差が大きいため
THE COURSE

ひたすら、上へABOUT 21KM AND 3000M OF ASCENT

このコースには下りがない。スタートからゴールまで、一貫して登り続ける。それが他のどの大会とも違う点だ。

市街地の舗装路

序盤は富士吉田の市街地を走る。傾斜はまだ緩やかで、ここは「走れる」区間だ。ただしここで飛ばすと、登山道で完全に止まる。標高差3,000mが待っていることを忘れないこと。

馬返しから登山道へ

舗装路が終わり、本格的な登山道が始まる。ここから走行はほぼ不可能になり、パワーウォークが主体になる。手も使う区間が出てくる。

森林限界から上

樹木が消え、岩と砂礫の斜面になる。空気が薄くなり、気温は市街地と十数度違うことも。天候が急変すれば、そこは夏でも冬の山になる。具体的なコース・関門は年度により変わるため、公式で必ず確認を。

RACE STRATEGY

登り続けるための配分走らない勇気が、完走を作る

この大会の攻略は明快だ。序盤で心拍を上げないこと。それだけで完走率は変わる。

市街地区間
抑える。走れる区間だからこそ危険。ここで心拍を上げると、登山道に入った瞬間に脚が動かなくなる。関門を意識しつつ、余裕を残して進む。
登山道
パワーウォークに切り替える。歩幅を狭め、一定のリズムで。腕も使う。呼吸が乱れない速度を守り続けることが、結果として最も速い。
高度順応
呼吸を深く。標高が上がると空気が薄くなる。頭痛・吐き気・強い倦怠感は高山病の兆候。これらが出たら無理をせず、下山または救護へ
体温管理
森林限界の手前で着る。上部は市街地と気温がまったく違う。寒くなってから着るのでは遅い。風を通さない一枚を必ず携行する。
関門
各関門の時刻を頭に入れておく。この大会は関門が厳しい。通過できなければそこで終わる。序盤の余裕を過信しない。
撤退
山頂は逃げない。高山病の兆候、強い寒気、意識の混濁があれば、その場で止める。来年もう一度来ればいい。

完走までの時間の目安(約21km・標高差3,000m)

おおよその所要時間過ごし方の目安
上位層3時間前後ほぼ止まらず登り切る層
中位層4時間前後関門を意識しながら進む
完走ライン付近制限時間ぎりぎり関門との勝負になる

※ 路面・天候・累積標高・エイドでの滞在時間で大きく変わります。制限時間と各関門の時刻は大会・年度により異なるため、必ず公式で確認してください。

GEAR AND CUT-OFF

必携装備と関門この大会で特に効くところ

標高3,000mを超える場所へ向かう。夏の市街地と山頂は、まったく別の環境だと考えて装備を組む。

  • 防風・保温着──山頂付近は夏でも冷える。これが命綱になる
  • レインウェア──天候の急変は前提。濡れと風が重なると危険
  • 手袋──岩場では手を使う。冷えると細かい動作ができない
  • 飲料──登り続けるため発汗量が多い。携行量を多めに
  • 下山用の装備──ゴール後の下山手段と防寒を確認しておく
  • 携帯電話──緊急時の連絡手段

関門が、この大会の本体

富士登山競走は関門の厳しさで知られる。五合目、八合目などに設定された関門を一つでも越えられなければ、そこで終わりだ。序盤の市街地で余裕があっても、登山道に入れば速度は劇的に落ちる。「市街地でどれだけ貯金を作れるか」ではなく「登山道でどれだけ落とさないか」で考えるのが正しい。関門時刻は年度により異なるため、必ず公式で確認してください。

※ 必携装備・関門・エイド配置は年度により変わり、直前に更新されることもあります。必ず最新の要項をご確認ください。

HOW TO CHECK

最新の開催情報を調べる要項の読み込みが、そのまま準備になる

日程・定員・参加費・関門・必携装備は年度で変わります。とくにこの分野は必携装備が直前に変更されることもあるため、一次情報の確認が欠かせません。

① 参加資格を確認する
山頂コースには五合目コースの実績が求められるのが通例。まず五合目コースから
② 関門時刻を暗記する
この大会は関門が全て。各関門の時刻と、そこまでの距離・標高差を頭に入れておく。
③ 天候と装備を最終確認
山頂付近の気象は市街地と別物。前日の予報を必ず確認し、防寒を厚めに。

登りは、走力ではなく
接地の効率を試してくる。

斜面では、足を置いた瞬間に地面が返してくる力の向きが変わる。踏ん張って力めば力むほど、その力は前に進む力にならずに消える。足裏で地面を感じ、腱で衝撃をいなし、軸を保つ──同じ心拍で誰より高く登れる身体は、筋力ではなくこの効率で決まっている。

RACE REPORTS

完走記・体験談 リンク集情報が少ない大会ほど、生の声が効く

この分野は完走記の数がロードより少なく、一本の記録が持つ価値が大きい。下のリンクからまとめてアクセスできる。

※ 上記は外部サイトの検索結果・第三者の完走記へのリンクです。掲載内容は各運営者・投稿者に帰属します。

おすすめの完走記があれば、このリンク集に個別に掲載していきます。この大会を走った記録をお持ちの方は、ぜひ教えてください。
RECOVERY

レース後の過ごし方長時間動いた身体を、戻す

長距離レースの後の身体は、フルマラソンとは比較にならないダメージを負っている。標高差3,000mを登り切った脚と、薄い空気で働き続けた呼吸筋には、相応の疲労が残る。

直後〜1時間
止まらず、着替える。ゴール後すぐ座り込まず、ゆっくり歩いて呼吸を整える。山では汗が冷えると一気に体温を奪われる。乾いた服に着替え、上着を羽織る。水分と食べられるものを早めに。
当日
足の点検を先に。不整地では靴擦れ・爪下出血・擦過傷が起きやすい。入浴前に足指と爪を確認する。温めて、食べて、脚を高くして休む。
翌日
走らない。歩く。下りのダメージは大腿に深く残る。平坦な道をゆっくり歩くほうが回復は進みやすい。強い痛み・腫れ・しびれが残るなら医療機関へ
数日後
整えてから、戻す。呼吸と姿勢を整えることから始め、軽いジョグへ段階的に。長時間の不整地走の疲労は、自覚より深いことがある。

呼吸を深め、姿勢を整えるコンディショニングには、リカバリー向けの一本歯下駄TOTONOEも活用できます。※ 体調に不安があるとき、痛みが強いときは無理をせず医療機関を受診してください。

GLOSSARY

レース用語ミニ辞典知っておくと要項が読める

累積標高D+コース全体で登った標高差の合計。トレイルやウルトラでは距離以上に負荷を左右する指標。
関門(カットオフ)CUT-OFF指定時刻までに通過できないと先へ進めない地点。長距離レースでは完走の可否がここで決まる。
必携装備MANDATORY GEAR主催者が携行を義務づける装備。レインウェア・ライト・カップ等。不備は出走不可や失格の対象になる。
パワーウォークPOWER WALK急な登りで走らずに速く歩く技術。長距離では走るより効率がよい場面が多い。
テクニカルTECHNICAL岩・木の根・急斜面など走行が難しい路面の総称。走力より足の置き方が問われる。
エイドステーションAID給水・補給・救護の拠点。長距離レースでは装備確認や休息の場にもなる。
グロスタイムGROSS号砲から計測した時間。関門の判定に使われることが多い。
DNFDID NOT FINISH完走できずにレースを終えること。長距離では珍しくなく、判断としての撤退も含む。
固有受容感覚PROPRIOCEPTION関節や筋、足裏から得る自分の身体の位置・傾き・圧の感覚。不整地では特に重要。
腱優位TENDON-DOMINANT筋で固めず腱の弾性で衝撃をいなし、次の一歩へ返す身体の使い方。
ナイトセクションNIGHT SECTION日没後に走る区間。ヘッドライトが必須で、体温低下と眠気への備えが要る。
ITRAポイントITRA国際トレイルランニング協会が大会の距離と累積標高から算定する指標。上位大会の参加資格に使われることがある。

※ 用語の運用は大会ごとに異なります。必ず参加する大会の要項をご確認ください。

SIGHTSEEING

大会前後に楽しむ 周辺スポット&穴場富士吉田|地図つき

富士吉田は富士登山の玄関口。吉田のうどんと浅間神社がある。

地図を読み込めない場合は、各スポットの「Googleマップで見る」からご確認ください。

定番

北口本宮冨士浅間神社
富士山の吉田口登山道の起点。杉木立の参道が荘厳。
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新倉山浅間公園
五重塔と富士山を一望する展望台。ただし階段が多い。
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吉田のうどん
極太で硬い麺が特徴の郷土料理。市内に専門店が点在する。
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穴場

富士山レーダードーム館
かつて山頂にあったレーダーを展示。登った先の歴史に触れられる。
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西裏(富士吉田の飲み屋街)
昭和の空気が残る一角。走ったあとの夜に。
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忍野八海
湧水の池が並ぶ集落。平坦で歩きやすい。
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地図を読み込めない場合は、各スポットの「Googleマップで見る」からご確認ください。

※ 各スポットの「Googleマップで見る」から地図・経路・営業情報を確認できます。山間部の施設は季節により営業状況が変わります。

BODY BUILDING

不整地を越える身体づくり足裏から、路面を読む身体へ

足裏で、路面を読む

不整地では一歩ごとに地面の形が変わる。足裏の固有受容感覚が鋭ければ、岩や根の上でも接地の瞬間に微調整が働き、足首を捻らずに通過できる。感覚が鈍いほど、目で見て脳で判断してからでは間に合わない。

腱で、下りの衝撃をいなす

トレイルの下りは、ロードの比ではない衝撃が連続する。筋の力で受け止め続ければ大腿と膝が数時間でつぶれる。アキレス腱やふくらはぎの腱の弾性で吸収し、弾んで next の一歩へ返す腱優位の身体なら、下りが脚を削る区間から進む区間に変わる。

傾斜が変わっても、軸を保つ

登り・下り・トラバースと姿勢が絶えず変わる。骨盤から上に一本の軸が通っていれば、傾きの中でも無駄なく身体を運べる。軸が曖昧だと一歩ごとに立て直しの力が要り、それが十数時間分積み上がる。

一本歯下駄は、不整地の予習になる

不安定な一本の歯の上に立つと、身体は足裏の感覚を研ぎ澄まし、筋で固めるのをやめて腱で微調整を始め、中心に軸を探す。これはトレイルで起きていることと同じ構造だ。山に入れない日でも、足裏と腱と軸を育てておける。

▶ さらに詳しく:マラソン・長距離ランナーと一本歯下駄|腱弾性で走りを変える45日プロトコル腱優位システム完全解説ヒラメ筋と一本歯下駄バランストレーニングの選び方完全ガイド

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FAQ

よくある質問富士登山競走 Q&A

富士登山競走とはどんな大会ですか?

山梨県富士吉田市の市役所前をスタートし、富士山の山頂を目指す登山競走です。距離は約21km、標高差はおよそ3,000m。数字だけ見ればハーフマラソンですが、その全てが登りです。関門が非常に厳しいことで知られ、山頂コースに挑むには五合目コースでの完走実績が求められるのが通例です。

いきなり山頂コースに出られますか?

多くの年度で山頂コースには参加資格が設けられ、五合目コースでの完走実績が求められます。まず五合目コースに挑戦し、そこから翌年以降に山頂を目指すのが標準的な道筋です。要件は年度により変わるため、必ず公式で確認してください。

高山病が心配です

標高3,000mを超えるため、高山病のリスクは現実的にあります。頭痛、吐き気、強い倦怠感、判断力の低下が主な兆候です。これらが出たら無理をせず、下山するか救護に申し出てください。呼吸を意識的に深くする、ペースを上げすぎないことが予防になります。持病のある方は事前に医師にご相談ください。

夏なのに寒いのですか?

山頂付近の気温は市街地と十数度違うことがあります。7月でも山頂は冬に近い環境で、天候が急変すれば風雨に叩かれます。濡れた状態で風に当たれば低体温症のリスクは現実になるため、防風・保温着は必ず携行してください。

関門はどれくらい厳しいですか?

この大会の核心が関門です。五合目、八合目などに設定され、一つでも越えられなければそこで終わりになります。序盤の市街地で余裕があっても、登山道に入れば速度は劇的に落ちます。関門時刻を暗記して臨んでください。

登りはどう進めばいいですか?

登山道に入ったらパワーウォークが主体になります。歩幅を狭め、一定のリズムを保ち、呼吸が乱れない速度を守り続ける。無理に走ろうとすると心拍が跳ね上がり、かえって遅くなります。腕も使って全身で登ってください。

ゴール後はどうやって下りるのですか?

下山の手段と所要時間は事前に確認しておく必要があります。ゴール後の下山中に体温が下がるため、防寒着も必要です。下山も含めて一日の行程だと考えて計画してください。詳細は公式の案内をご確認ください。

一本歯下駄はこの大会の練習に役立ちますか?

役立ちます。不整地では一歩ごとに地面の形が変わり、目で見て判断してからでは間に合いません。一本歯下駄は不安定な一本の歯の上でバランスを取ることで、足裏の固有受容感覚を高め、衝撃を腱でいなす動きと、ぶれない軸を同時に育てます。走行距離を増やさずに土台を育てられる点が実用的です。一本歯下駄GETTAは合同会社GETTAプランニングが開発・製造・販売しています。

一本歯下駄の使い方を直接教わることはできますか?

はい。全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。詳しくはインストラクターネットワークのサイト(instructor.getta.jp)をご覧ください。

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