◀ 市民マラソン大図鑑 NARA MARATHON ─ NARA
千三百年の都に、坂がある。

奈良マラソン

ANCIENT CAPITAL ─ DECEMBER
奈良県奈良市。大仏がおわし、鹿が歩き、千三百年前の都の記憶が地面の下に眠る街。12月、その古都を舞台に42.195kmが行われる。ただしこの大会、景色の優雅さとは裏腹に「登る」ことで知られている。奈良盆地から東の丘陵へ向かうコースには容赦のない起伏があり、多くのランナーが脚を削られてきた。古都の風景を最後まで味わえるかどうかは、坂への備え次第。この図鑑は、坂に強くなる練習法から観光までを一枚に束ねる。
奈良県奈良市例年 12月フルマラソン古都・アップダウンが厳しい
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奈良マラソンとは

要点の要約

奈良マラソンは、奈良県奈良市で例年12月に開催される、古都を舞台としたフルマラソンである。東大寺や春日大社、奈良公園といった日本を代表する文化遺産の街を走る、近畿を代表する市民マラソンのひとつだ。

ただしこの大会の性格を一言でいえば、「登るマラソン」である。奈良盆地から東の丘陵地へ向かうコースには明確なアップダウンがあり、フラットな都市型レースとはまったく別の走りが求められる。坂への準備をしたランナーと、しなかったランナーの差が、これほどはっきり出る大会も珍しい。だからこそ、走り切ったときの充実感は格別だ。

BASIC INFO

基本情報OVERVIEW

⚠ 開催日・距離種目・定員・参加費・制限時間・コースは、年度によって変わります。エントリーの前に、必ず大会公式サイトで最新の情報をご確認ください。この図鑑では、年度によらず変わらない大会の性格と、走るための準備をまとめています。
開催地奈良県奈良市(および周辺)
開催時期例年 12月(初冬)※正確な開催日は公式で要確認
距離種目フルマラソン(42.195km)ほか※種目・距離の詳細は公式で要確認
コースの特徴アップダウンが大きい。奈良盆地から東の丘陵地へ向かう起伏が最大の関門
景観東大寺・春日大社・奈良公園など、古都の文化遺産が沿道に点在する
会場アクセス近鉄奈良駅/JR奈良駅(大阪・京都から30〜45分程度)※会場までの交通・シャトルは公式で要確認
タイプチャレンジ型。記録より「坂を越えて完走する」ことに価値がある大会
HOW TO CHECK

最新の開催情報を調べるOFFICIAL INFO

日程や参加費は年度で変わるため、参加を決めたら一次情報を押さえるのが確実だ。次の順で確認すると迷わない。

① 大会公式サイトを探す
「奈良マラソン 公式」で検索し、開催年度の要項ページを確認する。開催日・種目・定員・参加費・制限時間・コース図・エイドは、まずここで。
② 高低差図を必ず見る
この大会に限っては、コースの高低差図こそが最重要資料だ。どこで登り、どこで下るのかを頭に入れておくだけで、当日のペース配分がまったく変わる。
③ 制限時間と関門を確認する
起伏のあるコースは失速しやすく、関門との戦いになりやすい。制限時間と各関門の通過時刻を把握し、余裕をもった完走計画を立てておきたい。
THE COURSE

古都を走る、坂を登るANCIENT CAPITAL & HILLS

奈良マラソンには、二つの顔がある。千三百年の都という景観と、容赦のない起伏。この落差こそが、この大会を忘れがたいものにしている。

大仏と鹿と、都の記憶

東大寺の大仏殿、春日大社の参道、奈良公園を歩く鹿。日本の原型ともいえる風景が、走る視界に入ってくる。都が置かれてから千三百年、この土地は日本人の記憶の底にあり続けてきた。その上を自分の脚で走るという体験は、他の大会では代えがたい。

「登る」ことで知られる大会

そしてもう一つの顔。奈良盆地から東の丘陵地へ向かうコースには、はっきりとした登りがある。序盤の余裕が、中盤の登りで一気に消える。多くのランナーがここで脚を使い果たし、後半の下りで膝を痛める。坂を制する者がこの大会を制すると言われるのは、そのためだ。

走り切ったあとの充実感

だからこそ、完走したときの手応えは大きい。フラットなコースでタイムを出すのとは別種の、「この坂を越えた」という達成感がある。初冬の澄んだ空気の中、古都の坂を越えていく──奈良マラソンは、そういう大会だ。具体的な高低差は年度により変わるため、公式のコース図で必ず確認を。

RACE STRATEGY

坂のあるコースの攻略登りで使わず、下りで壊さない

起伏のあるフルは、平坦なコースとはペース配分の考え方が根本的に違う。「同じペースを守る」のではなく、「同じ努力度を守る」のが鉄則だ(具体的な距離・高低差は年度により異なるため、公式のコース図とあわせて活用してほしい)。

序盤
古都の景色に飛ばされない。スタート直後は気持ちが高ぶり、しかも脚は元気。だがこの大会の本番は中盤の登りだ。序盤の貯金は、坂で全部吐き出すことになる。目標ペースより明確に抑えて入る。
登り
ペースを捨て、努力度を守る。登りでタイムを守ろうとするのは最悪の選択。歩幅を狭め、ピッチを保ち、呼吸が乱れない範囲で刻む。心拍を上げないことが最優先。時計は見ずに、身体の感覚を基準にする。
下り
ここが最大の罠。下りは楽に感じるため、つい飛ばしてしまう。しかし下りの着地衝撃は平地の比ではなく、ここで大腿と膝を壊すと終盤はまったく走れない。ブレーキをかけず、重心を前に、歩幅を抑えて軽やかに刻む。
30km
坂の借金が表に出る。登りで心拍を上げすぎ、下りで脚を壊したランナーは、ここで完全に止まる。逆に、坂を賢く越えてきたなら、まだ動く脚が残っている。
終盤
都へ帰る。残した脚で、古都の景色をもう一度受け取りながら走り切る。この大会の完走は、平坦なコースの完走とは違う重みを持っている。

ペース × 完走タイム早見表(42.195km)

地点サブ3.53時間30分サブ44時間00分サブ4.54時間30分サブ55時間00分
必要ペース4:59 /km5:41 /km6:24 /km7:07 /km
5km24:5328:2632:0035:33
10km49:4656:531:03:591:11:06
15km1:14:391:25:191:35:591:46:39
20km1:39:321:53:452:07:592:22:12
ハーフ地点
(21.098km)
1:45:002:00:002:15:002:30:00
25km2:04:252:22:122:39:582:57:45
30km2:29:182:50:383:11:583:33:18
35km2:54:113:19:053:43:584:08:51
40km3:19:053:47:314:15:574:44:24
フィニッシュ
(42.195km)
3:30:004:00:004:30:005:00:00

※ 42.195kmを均等ペースで走った場合の目安です。起伏の大きいこの大会では、イーブンペースで走ること自体が現実的ではありません。登りで遅れ、下りと平坦で戻すのが実際の走り方になります。表は「全体としてどのくらいの位置にいるか」を確認する道具として使ってください。制限時間・関門は必ず公式で確認を。

完走できる?セルフチェック

  • 練習で30km前後を走り切れる(走+歩でも可)なら、フル完走が視野に入る
  • この大会に限っては、坂道を含む30km走を一度は経験しておきたい
  • 週2〜4回・3〜6か月の継続で、初フル完走を目指すのが一般的なステップ
  • 平坦コースの自己ベースのタイムより、時間がかかる前提で計画する
HILL TRAINING

坂に強くなるトレーニング登り・下り、それぞれ別の準備がいる

「坂の練習」と聞くと、多くの人が登りだけを想像する。しかしフルマラソンで脚を壊すのは、たいてい下りだ。登りと下りは使う能力がまったく違うので、別々に鍛えておきたい。

登りの練習──心肺と、押し出す力

坂ジョグ
ゆるい坂を、会話ができるペースで登る。まずはこれで十分。傾斜のある道を含むコースを、いつものジョグに織り込む。週1回から。
坂ダッシュ
100〜200mほどの坂を、力まず駆け上がる。下りは必ず歩いて戻る(ここで走ると脚を壊す)。5〜10本から。フォームが崩れたらその日は終了。
坂を含む長い距離
本番を想定した最重要練習。起伏のあるコースで20〜30kmを走り、登りでどれだけ消耗するかを身体で知っておく。本番の1か月前までに一度は。

下りの練習──衝撃をいなす技術

下りで脚が壊れるのは、着地のたびにブレーキをかけ、その衝撃を筋肉(特に大腿前面)で受け止めているからだ。これは筋力ではなく技術と身体の使い方の問題である。

歩幅を狭める
下りで歩幅を広げると、足が身体より前に着き、そのたびにブレーキがかかる。歩幅を狭め、ピッチを上げると、衝撃が小さく分散される。
重心を前に置く
怖がって後傾すると、かかとから突っ込む形になり衝撃が増す。坂に沿って身体をわずかに前へ倒し、足が身体の真下に落ちるようにする。
腱でいなす
着地を筋肉で止めるのではなく、アキレス腱やふくらはぎの弾性で受け、次の一歩へ返す。この腱優位の感覚が身につくと、下りが「脚を削る区間」から「脚を休ませる区間」に変わる。

※ 坂の練習は負荷が高く、故障のリスクもあります。ふだんの走行距離が少ないうちに急に始めない、痛みがあるときは行わない、下りのダッシュはしない──この三点を守ってください。持病がある方や不安のある方は、医師にご相談ください。

FUELING

補給の考え方30kmの壁の半分は、燃料切れ

フルマラソンで身体が動かなくなる原因の少なくとも半分は、体内に蓄えた糖が尽きることにあります。走力ではなく燃料の問題なので、補給の設計で改善できます。

  • 1本目は10km前後、以降5〜7kmごと(30〜45分に1回が目安)
  • ジェルは必ず水と一緒に。水なしは胃に負担がかかる
  • 給水は喉が渇く前に、少量をこまめに。冬でも飛ばさない
  • 本番で初めてのものを口にしない。胃腸トラブルの最大の原因
  • 20km・30km前後で塩分・電解質も意識する

※ 必要量は体重・発汗量・ペース・気温で大きく変わります。必ず練習で試して自分に合う量とタイミングを見つけてください。持病のある方は医師にご相談ください。

PREPARATION TIMELINE

準備タイムライン坂に備える半年

この大会の準備計画には、必ず「坂」を組み込む。それが他の大会との最大の違いだ。

3〜6か月前
エントリーと計画。公式で日程・定員・参加費を確認してエントリー。走り込みを開始し、この時点から坂を含むコースを練習に織り込み始める。大阪・京都からの日帰りも可能だが、前泊するなら宿は早めに。
1か月前
坂を含む長い距離を一度は。起伏のあるコースで20〜30kmを走り、登りの消耗と下りの脚へのダメージを体感しておく。この経験があるかどうかで、当日の判断が変わる。シューズとウェアもこの時期までに決める。
2週間前
疲労を抜く。走行距離を段階的に減らし、坂の強度練習もここで終える。新しい練習は行わない。公式の高低差図を印刷して眺めておくと、当日のイメージができる。
前日
移動と受付、そして休息。奈良入りし、必要なら受付を済ませる。観光で歩き回りすぎない(奈良公園は意外と広い)。食事は食べ慣れたものを選び、早めに就寝。
当日朝
逆算して動く。スタート3時間前を目安に起床し、食べ慣れた朝食をとる。会場には余裕をもって到着。12月の奈良の朝は冷えるため、直前まで防寒を脱がない。
スタート直前
作戦を一つに絞る。「登りでペースを捨てる」──この一点だけを確認する。この大会の成否は、そこで決まる。
CHECKLIST

持ち物・準備チェックリスト初冬の奈良盆地に備える

奈良盆地は内陸性の気候で、12月の朝はよく冷え込む。走り出せば温まるが、待機時間の防寒が重要になる。

約12℃
約3℃
12月 平年の目安
最高/最低
奈良の12月は、内陸らしく朝晩が冷え込みます。平年で日中の最高がおよそ11〜13℃、朝の最低は3℃前後。走るには適した気温ですが、スタート前の待機で体温を奪われると、序盤の動きが鈍ります。速乾ウェアの上に使い捨てできる防寒を重ね、直前まで脱がないのが鉄則です。※平年の目安です。当日は必ず最新の天気予報を確認してください。
  • ランニングシューズ(履き慣れたもの。新品での本番は避ける)
  • ウェア上下(速乾素材。長袖や薄手のタイツも検討)
  • スタート前の防寒(使い捨て可能な上着・ポンチョ)
  • 手袋・アームカバー(朝の冷え対策。走りながら外せるものが便利)
  • 補給食・エネルギージェル(起伏がある分、多めに携行)
  • 絆創膏・ワセリン(靴擦れ・こすれ防止)
  • ゼッケン・計測チップ(前日までに装着準備)
  • 高低差図のメモ(どこで登るか把握しておくと判断が早い)
  • 着替え・タオル(ゴール後の汗冷え対策に)
  • 宿・交通の手配控え(前日受付の時間・場所も控えておく)

※ 手荷物預かり・更衣室・前日受付の有無は大会により異なります。公式の案内を確認してください。

ACCESS

奈良へのアクセス手段別の考え方

奈良は大阪・京都から30〜45分程度と近く、関西圏からは日帰りも十分に可能だ。

手段ルートの考え方向いている人
近鉄大阪難波・京都から近鉄奈良駅へ。奈良公園に近く、観光との相性がよい関西圏からの参加。市街地へ直結で便利
JR大阪・京都からJR奈良駅へ。新幹線で京都へ入り、乗り継ぐルートも一般的遠方から新幹線で来る人
飛行機関西国際空港または大阪国際空港から、鉄道・バスを乗り継ぐ九州・北海道など遠方から
京都・大阪に宿泊奈良市内の宿が取りにくい場合、京都や大阪に泊まって当日移動する大規模大会で宿が埋まったとき。移動は30〜45分程度

※ 所要時間・便数・会場までのシャトルバス・交通規制は年度や時期により変わります。旅程を組む前に必ず最新情報をご確認ください。

FOR SUPPORTERS

応援・観戦ガイド家族・友人と一緒に走る一日にする

奈良は観光と応援を両立しやすい街だ。待ち時間に大仏を見て、また沿道に戻る、といった過ごし方ができる。

① 「2回会える」場所を選ぶ
往復や周回を含むコースなら、同じ地点で2回応援できることがある。公式のコース図と通過予想時刻をもとに、移動しやすい地点を先に決めておく。
② 坂の上ではなく「坂の後」で待つ
この大会ならではの視点。登り切った直後や下りの終わりは、ランナーがもっともつらい場面。ここでの声援は、平坦区間の何倍も効く。
③ 通過時刻には余裕を見る
起伏の大きいコースは、予想より遅れることが多い。本ページのペース早見表を目安にしつつ、予定より遅れる前提で待つと、すれ違いを防げる。
④ ゴール後の待ち合わせを決めておく
ゴール後は携帯がつながりにくく、ランナーは疲労で判断力が落ちている。場所と時間を事前に具体的に決めておくのが鉄則。乾いた上着や飲み物を用意しておくと、走った側は本当に助かる。

※ 応援可能な場所、コースへの立ち入り、当日の交通規制と公共交通の運行は大会・年度により異なります。移動計画を立てる前に、必ず公式の案内をご確認ください。

SIGHTSEEING & HIDDEN GEMS

大会前後に楽しむ 周辺観光スポット&穴場古都・奈良|地図つき

奈良は、日本の始まりの記憶が集まる場所だ。定番の大仏だけで帰るのはもったいない。穴場まで含めて紹介する。

地図を読み込めない場合は、各スポットの「Googleマップで見る」からご確認ください。

定番の名所

定番
東大寺・大仏殿
奈良の象徴。世界最大級の木造建築と大仏は、実物の前に立つと想像を超える。
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定番
春日大社
朱塗りの社殿と、参道に連なる石灯籠。原生林に抱かれた荘厳な空気が漂う。
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定番
奈良公園
鹿が歩き、芝生と古木が広がる広大な公園。走った翌日の散歩に最適。
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定番
興福寺・五重塔
猿沢池に映る五重塔は奈良を代表する風景。街の中心にあり立ち寄りやすい。
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地元通の穴場

穴場
平城宮跡歴史公園
千三百年前の都の中心。復元された大極殿と、地平線まで開けた空間に圧倒される。
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穴場
ならまち
格子戸の町家が残る古い町並み。カフェや工芸店が点在し、静かに歩ける。
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穴場
薬師寺・唐招提寺
西ノ京に並ぶ二つの古刹。観光客の少ない時間帯の静けさは格別。
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穴場
若草山
奈良公園の東にあるなだらかな山。山頂からは奈良盆地を一望できる。
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穴場
法隆寺(斑鳩)
世界最古級の木造建築群。奈良市街から少し足をのばす価値のある場所。
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※ 各スポットの「Googleマップで見る」から、地図・経路・営業情報を確認できます。拝観時間・拝観料・休観日は施設により異なるため、事前にご確認ください。

坂を壊しに来るのは、
登りではなく下りだ。

登りで苦しいのは誰でも分かる。だが本当に脚を破壊するのは、その後の下りだ。着地のたびにブレーキをかけ、その衝撃を筋肉で受け止める。それを何千歩と繰り返せば、30kmを待たずに脚は終わる。下りを味方につけられるかどうかは、筋力ではなく身体の使い方の問題だ。足裏で地面を感じ、腱で衝撃をいなし、軸を保つ──古都の坂は、その差を容赦なく突きつけてくる。

BODY BUILDING FOR THE HILLS

坂を越える身体づくり足裏から、下りに強い身体へ

坂の練習と並行して、身体の使い方そのものを変えていく。三つの要点を押さえよう。

上りは、足裏で地面を押す

上り坂では、足裏でしっかり地面をとらえ、力を無駄なく推進に変えられるかが鍵になる。足裏の固有受容感覚が鋭ければ、接地が最適化され、少ない力で前に進める。踏ん張って力むほど、脚も心肺も早く消耗する。

下りは、腱でいなす

下り坂は、着地衝撃が一気に増える区間だ。この衝撃を筋肉の力で受け止め続けると、大腿と膝が疲弊し、終盤に脚が止まる。アキレス腱やふくらはぎの腱の弾性で衝撃を吸収し、弾むように下れる腱優位の身体なら、下りが脚を削る区間から、脚を休ませる区間に変わる。奈良マラソンでは、この差が完走を分ける。

傾斜が変わっても、軸をぶらさない

登りと下りを繰り返すほど、姿勢は乱れやすい。骨盤から上に一本の軸が通っていれば、傾斜が変わっても無駄なく身体を運べる。坂の多いコースの完走は、この軸の安定にかかっている。

一本歯下駄で、坂に強い足裏をつくる

足裏の解像度・腱優位・姿勢の軸──奈良の坂に必要なこの三つを同時に育てる道具が一本歯下駄だ。不安定な一本の歯の上に立つと、身体は足裏の感覚を研ぎ澄まし、筋肉で固めるのをやめて腱で微調整を始め、中心に軸を探す。地面の上では気づけない自分の癖が、一本の歯の上でははっきり現れる。坂の練習と組み合わせれば、下りに強い身体の土台になる。

▶ さらに詳しく:マラソン・長距離ランナーと一本歯下駄|腱弾性で走りを変える45日プロトコル腱優位システム完全解説|筋肉で固めるな、腱で弾め腓腹筋と一本歯下駄|ふくらはぎの腱バネを取り戻すバランストレーニングの選び方完全ガイド

INSTRUCTOR NETWORK

市民ランナーの走りを改善する一本歯下駄理論あります。

全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。独学で迷わず、直接学びたい方へ。

一本歯下駄理論を見る →
RECOVERY

レース後48時間の過ごし方下りのダメージは、あとから来る

起伏の大きい大会では、翌日以降の筋肉痛が平坦コースよりはっきり出ることが多い。特に下りで負荷のかかった大腿前面は、階段の下りがつらくなる。順を追って回復させよう。

直後〜1時間
止まらず、汗を冷やさない。ゴール後すぐに座り込まず、ゆっくり歩いて呼吸を整える。12月の奈良は冷えるため、乾いた服に着替えて上着を羽織る。水分と、食べられるものを早めに口にする。
当日
食べて、温めて、早く眠る。入浴で身体を温め、脚を高くして休む。帰路の移動が長いなら、こまめに立って脚を動かす。睡眠を最優先に。
翌日
走らない。歩く。下りのダメージで階段がつらいはず。完全に動かないより、平坦な道をゆっくり歩くほうが回復は進みやすい。奈良公園を散歩する程度がちょうどよい。痛みが強い箇所や、腫れ・違和感が続く場合は無理をせず、必要なら医療機関へ。
2日目以降
整えてから、戻す。すぐに走り込みを再開せず、呼吸と姿勢を整えることから始める。身体の反応を見ながら、軽いジョグへ段階的に戻していく。坂のダメージは自覚より深いことがある。

呼吸を深め、姿勢を整えるコンディショニングには、リカバリー向けの一本歯下駄TOTONOEも活用できます。走ったあとに身体を整えることが、次の一本への最短距離になります。

RACE REPORTS

完走記・感想ブログ リンク集走った人の生の声を読む

大会の本当の厳しさは、実際に走った市民ランナーの声がいちばん詳しい。坂のきつさ、下りのダメージ、古都の景色──下のリンクから、奈良マラソンの完走記・体験談・動画へまとめてアクセスできる。

※ 上記は外部サイトの検索結果・第三者の完走記へのリンクです。掲載内容は各運営者・投稿者に帰属します。検索結果は日々更新されるため、常に最新の体験談にアクセスできます。

おすすめの完走記・レースレポートがあれば、このリンク集に個別に掲載していきます。奈良マラソンを走った記録をお持ちの方は、ぜひ教えてください。
GLOSSARY

レース用語を確認する要項が読めるようになる

グロスとネットの違い、関門、スタートロス、テーパリング——要項に出てくる用語は、知らないと当日に響きます。とくに関門はグロス基準で運用されることが多く、後方スタートのランナーはその差だけ余裕が減ります。

FAQ

よくある質問奈良マラソン Q&A

奈良マラソンとはどんな大会ですか?

奈良マラソンは、奈良県奈良市で例年12月に開催される、フルマラソンの市民マラソンです。東大寺や春日大社、奈良公園といった古都の文化遺産を沿道に望みながら走る、近畿を代表する大会のひとつです。最大の特徴はコースのアップダウンで、「登るマラソン」として知られています。開催日や詳細は年度により異なるため、公式情報をご確認ください。

奈良マラソンはいつ開催されますか?

例年、12月(初冬)に開催されています。ただし正確な開催日は年度によって異なり、エントリー期間も開催の数か月前に設定されます。参加を検討する際は、必ず大会の公式サイトで最新の日程を確認してください。

本当に坂はきついのですか?

奈良マラソンは、市民マラソンの中でも起伏の大きい大会として知られています。奈良盆地から東の丘陵地へ向かうコースには明確な登りがあり、平坦な都市型レースとはまったく別の走りが求められます。ただし、坂の走り方を準備しておけば十分に完走できます。登りではペースを捨てて努力度を守り、下りではブレーキをかけずに歩幅を狭めて刻む──この二点が基本です。具体的な高低差は年度により変わるため、公式のコース図で必ず確認してください。

坂に強くなるには、どんな練習をすればいいですか?

登りと下りは使う能力が違うので、別々に準備します。登りには、ゆるい坂を会話ができるペースで走る坂ジョグ、100〜200mの坂を力まず駆け上がる坂ダッシュ(下りは必ず歩いて戻る)が有効です。下りは筋力ではなく技術の問題で、歩幅を狭めてピッチを上げる、重心を前に置いて足が身体の真下に落ちるようにする、着地を筋肉で止めず腱の弾性でいなす、という三点を身につけます。そして本番1か月前までに、起伏のあるコースで20〜30kmを一度は走っておきましょう。詳しくは本ページの「坂に強くなるトレーニング」をご覧ください。

下り坂で膝が痛くなります。どうすればいいですか?

下りで膝や大腿前面が痛むのは、着地のたびにブレーキをかけ、その衝撃を筋肉で受け止めているためです。歩幅を広げて足が身体より前に着くほどブレーキは強くなります。歩幅を狭めてピッチを上げ、坂に沿って身体をわずかに前へ倒し、足が身体の真下に落ちるようにすると衝撃が分散されます。日ごろから、着地衝撃を腱の弾性でいなす動きづくりをしておくと効果的です。痛みが続く場合は、無理をせず医療機関にご相談ください。

12月の奈良は寒いですか?服装はどうすればいいですか?

奈良盆地は内陸性の気候で、12月の朝はよく冷え込みます。平年で日中の最高がおよそ11〜13℃、朝の最低は3℃前後です。走るには適した気温ですが、スタート前の待機で体温を奪われると序盤の動きが鈍ります。速乾ウェアの上に使い捨てできる防寒着を重ね、スタート直前まで脱がないのが鉄則です。手袋やアームカバーも朝の冷え対策に有効です。

フルマラソンは何時間くらいで完走できますか?制限時間はありますか?

完走タイムは走力と練習量によって大きく異なりますが、起伏の大きい奈良マラソンでは平坦コースより時間がかかるのが普通です。フルマラソンには制限時間(関門)が設けられており、これを過ぎると先へ進めません。制限時間は大会・年度によって異なるため、必ず公式で確認してください。起伏のあるコースは失速しやすく関門との戦いになりやすいので、余裕をもった計画を立てましょう。

奈良へのアクセスはどうすればいいですか?

大阪難波や京都から近鉄で近鉄奈良駅へ、またはJRでJR奈良駅へ向かうのが一般的で、所要は30〜45分程度です。遠方からは新幹線で京都に入り、乗り継ぐルートが便利です。飛行機の場合は関西国際空港または大阪国際空港から鉄道・バスを利用します。奈良市内の宿が取りにくい場合は、京都や大阪に宿泊して当日移動する方法もあります。

走ったあとの奈良の楽しみは何ですか?

奈良には日本の始まりの記憶が集まっています。東大寺の大仏、春日大社、興福寺、鹿の歩く奈良公園が定番です。少し足をのばせば、広大な平城宮跡、世界最古級の木造建築で知られる法隆寺、静かな薬師寺・唐招提寺もあります。食では柿の葉寿司、三輪そうめん、大和茶などが知られています。ならまちの古い町並みの散策も、走った翌日にちょうどよい過ごし方です。

家族や友人が応援に行きます。何を準備すればいいですか?

公式のコース図と通過予想時刻をもとに応援ポイントを決めましょう。この大会ならではのコツとして、登り切った直後や下りの終わりで待つと、ランナーがもっともつらい場面で声援を届けられます。起伏が大きいコースは予想より遅れることが多いため、通過時刻には余裕を見てください。ゴール後は携帯がつながりにくいので、待ち合わせ場所と時間を事前に具体的に決めておくことをおすすめします。

一本歯下駄は奈良マラソンの練習に役立ちますか?

役立ちます。起伏の大きいこの大会では、下りの衝撃をどう受けるかが完走を左右します。一本歯下駄は不安定な一本の歯の上でバランスを取ることで、足裏の固有受容感覚を高め、衝撃を腱でいなす動きと、ぶれない軸を同時に育てます。これは下りに強い身体そのものです。坂の練習と組み合わせることで、奈良の坂を越える土台になります。一本歯下駄GETTAは合同会社GETTAプランニングが開発・製造・販売しています。

一本歯下駄の使い方を直接教わることはできますか?

はい。全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。市民ランナーの走りを改善する一本歯下駄理論を直接学びたい方は、インストラクターネットワークのサイト(instructor.getta.jp)をご覧ください。

奈良マラソンの完走記や口コミはどこで読めますか?

実際に走った市民ランナーの完走記や口コミは、RUNNETの大会レポート、note、アメブロなどのブログ、YouTubeのコース動画、X(旧Twitter)やInstagramのハッシュタグなどで読むことができます。本ページの「完走記・感想ブログ リンク集」から、これらの検索・投稿へまとめてアクセスできます。坂の厳しさのリアルは、生の声がいちばん参考になります。

FOR RUNNERS

下りに強い足裏をつくる三つの下駄GETTA / TOTONOE / REDEZA

足裏の解像度、腱で弾む動き、ぶれない軸、そして走ったあとに整える力──古都の坂を越える身体づくりを、一歩ごとに足裏から始める道具。目的に合わせて、三つの下駄がある。

一本歯下駄GETTA スタンダードモデル
STANDARD ─ 一本歯下駄
GETTA
すべての基本。最初の一足はこれ。全高4cmの低床型で、子どもから大人まで初心者でも安心の安定感。足裏の感覚と姿勢の軸を育てる、トレーニングの入口。
公式ショップで見る
リカバリー一本歯下駄TOTONOE
CONDITION ─ 一本歯下駄
TOTONOE
整える。声が変わる。呼吸が深まる。歯に高強度ゴムを備えたリカバリー・コンディショニングモデル。走ったあとに身体を整えたいランナーや、初めての一足にも。
公式ショップで見る
二枚歯下駄REDEZA 上級者モデル
APEX ─ 二枚歯下駄
REDEZA
蹴らない。ためない。捻らない。二枚歯が足首の屈曲を制限し、微細な重心移動だけで身体を導く到達点。武術的な身体操作を求める上級者へ。
公式ショップで見る
どのモデルが自分に合うか迷ったら、選び方完全ガイド(GETTA全製品比較)へ。
開発・製造・販売:合同会社GETTAプランニング
公式ショップで全モデルを見る →
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