ランニングの故障 予防と対処の完全ガイド
故障とは何が起きているのか
ランニング障害の多くは、負荷が身体の適応速度を追い越したときに起きる。つまり偶然ではなく、予防できる。
身体は、加えられた負荷に対して少しずつ強くなっていく。だがその適応には時間がかかる。走行距離を一気に増やす、強度を急に上げる、新しいシューズに変える——こうした変化が重なると、組織が回復する前に次の負荷がかかり、損傷が蓄積する。そして負担は必ず一点に集中する。集中するのは、他の部分が働いていないからだ。ここに予防の本質がある。
※ 本ページは一般的な注意点の整理であり、診断・治療の助言ではありません。痛みや不調がある場合は、必ず整形外科などの医療機関を受診してください。
急に増やさない、という原則故障の最大の原因はこれ
大会が近づくと焦る。距離を増やしたくなる。だがその焦りが故障を作る。押さえるべき四つを挙げる。
痛みの四段階走ってよい線引き
すべての違和感が故障ではない。しかし放置してよい痛みと、そうでない痛みがある。段階で判断する。
- ① 走り始めて温まると消える違和感──様子を見ながら継続できることが多い。ただし頻度が増えるなら要注意
- ② 走っている間ずっと続く痛み──負荷を落とす段階。距離と強度を下げる
- ③ 走ると悪化する、フォームが崩れる痛み──走るのをやめる。ここで無理をすると長期離脱につながる
- ④ 日常生活でも痛む、腫れがある、押すと強く痛む──医療機関へ。自己判断で走り続けない
痛み止めで消して走らない
痛みは身体が発している信号だ。薬で消して走り続ければ、損傷に気づかないまま悪化させることになる。服薬については必ず医師や薬剤師に相談してください。薬によっては、長時間の運動時に身体への負担が問題になることもあります。
走れない期間にできること休養は、後退ではない
痛みで走れない期間は、多くの人にとって精神的にもつらい。だがこの時期にできることはある。
走行距離を積めない期間に身体の使い方を整えておくと、復帰後の走りがむしろ変わっていることがあります。ただし痛みがあるときは無理をせず、医療機関の判断に従ってください。
大会直前に痛みが出たらいちばん難しい判断
「あと二週間で本番なのに痛みが出た」——ランナーなら誰もが直面する場面だ。判断の基準を、あらかじめ持っておきたい。
一つのレースは、走れる身体より価値が低い。無理をして出走し、そこで悪化させれば、次の数か月を失うことになる。大会は毎年ある。痛みが強いなら、出走を見送るという判断も正しい選択だ。
迷う場合は、必ず医師や専門家に相談してから決めてください。そして走ると決めた場合も、レース中に悪化したら止めるという線を、スタート前に自分の中で引いておくこと。走りながらでは、その判断はできなくなります。
※ 本セクションは一般的な考え方の整理であり、個別の状況への助言ではありません。痛みの原因と対処は必ず医療機関でご相談ください。
レース用語ミニ辞典知っておくと要項が読める
※ 用語の運用は大会ごとに異なります。必ず参加する大会の要項をご確認ください。
長時間を走り切る身体づくり足裏から、十万歩に耐える身体へ
足裏の質が、十数時間分積み上がる
100kmは十万歩を超える。一歩あたりのわずかなブレーキが、その回数だけ積み上がる。足裏の固有受容感覚が鋭ければ接地が最適化され、無駄な減速が減る。ウルトラでは効率の差が数時間の差になる。
腱で弾めば、脚が最後まで残る
着地衝撃を筋の力で受け止め続ける走りは、フルでも脚を消耗させる。それが100kmになればどうなるか。アキレス腱やふくらはぎの腱の弾性で衝撃をいなす腱優位の身体は、同じ速度をより少ない力で維持できる。
崩れた姿勢で走り続けないために
長時間走で最も危険なのは、フォームが崩れたまま数時間走り続けることだ。骨盤から上に一本の軸が通っていれば、疲れても歩幅とピッチを保ちやすく、負担が一点に集中しない。故障の多くはここで決まる。
一本歯下駄で、一歩の質を変える
不安定な一本の歯の上に立つと、身体は足裏の感覚を研ぎ澄まし、筋で固めるのをやめて腱で微調整を始め、中心に軸を探す。走行距離を増やさずに一歩の効率を上げられるのは、ただでさえ練習量が多くなるウルトラに向けて現実的な選択肢になる。
▶ さらに詳しく:マラソン・長距離ランナーと一本歯下駄|腱弾性で走りを変える45日プロトコル/腱優位システム完全解説/ヒラメ筋と一本歯下駄/バランストレーニングの選び方完全ガイド
市民ランナーの走りを改善する一本歯下駄理論あります。
全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。独学で迷わず、直接学びたい方へ。
よくある質問 Q&A
ランニングの故障はなぜ起きるのですか?
ランニング障害の多くは、負荷が身体の適応速度を追い越したときに起きます。大会が近づいて焦り、走行距離を一気に増やす。強度を急に上げる。新しいシューズに変える。これらが重なると、身体はついてこられません。つまり偶然ではなく、予防できるということでもあります。
故障を防ぐ最も重要な原則は何ですか?
急に増やさないことです。週の走行距離をいきなり大きく増やさず、段階的に身体の反応を見ながら伸ばす。速い練習と長い練習を同じ週に詰め込みすぎない。強い日のあとは楽な日を置く。そして休むことは練習の一部です。走らない日を計画に入れておくほうが、結果として走行距離は伸びます。
痛みが出たら走ってはいけませんか?
すべての違和感が故障というわけではありませんが、放置してよい痛みとそうでない痛みがあります。目安として四段階あります。①走り始めて温まると消える違和感——様子を見ながら継続できることが多い(ただし頻度が増えるなら要注意)、②走っている間ずっと続く痛み——距離と強度を落とす段階、③走ると悪化する・フォームが崩れる痛み——走るのをやめる、④日常生活でも痛む・腫れがある・押すと強く痛む——医療機関へ。自己判断で走り続けないでください。
痛み止めを飲んで走ってもいいですか?
おすすめしません。痛みは身体が発している信号であり、それを薬で消して走り続ければ、損傷に気づかないまま悪化させることになります。服薬については必ず医師や薬剤師にご相談ください。また薬によっては、長時間の運動時に腎臓などへの負担が問題になることもあります。
走れない期間は何をすればいいですか?
痛みで走れない期間は精神的にもつらいものですが、できることはあります。呼吸を整える、姿勢を見直す、足裏の感覚を育てる、可動域を確保する。走行距離を積めない期間に身体の使い方を整えておくと、復帰後の走りがむしろ変わっていることがあります。休養は後退ではありません。ただし痛みがあるときは無理をせず、医療機関の判断に従ってください。
大会二週間前に痛みが出ました。どうすればいいですか?
ランナーなら誰もが直面する場面です。判断の基準として持っておきたいのは、一つのレースは、走れる身体より価値が低いということです。無理をして出走し悪化させれば、次の数か月を失うことになります。大会は毎年あります。痛みが強いなら出走を見送るという判断も正しい選択です。迷う場合は、必ず医師や専門家に相談してから決めてください。
どんな部位に故障が起きやすいですか?
ランナーに多いのは膝周辺、ふくらはぎとアキレス腱、足の裏、すね、股関節周辺などです。ただしどこが痛むかより、なぜそこに負担が集中したかのほうが本質的です。ある部位に負担が集中するのは、他の部分が働いていないからです。部位ごとの詳しい解剖については、getta.jpの機能解剖図鑑シリーズで扱っています。
シューズを変えたら痛みが出ました
ありえる話です。シューズを変えたら、しばらくは短い距離から始めてください。クッションや反発の特性が変われば、身体にかかる負荷の分布も変わります。とくに本番直前に新品を下ろすのは避けるべきです。慣らす期間を含めて計画してください。
休むとせっかくの走力が落ちませんか?
数日から一週間程度の休養で、積み上げた走力が失われることはほとんどありません。むしろ疲労が抜けて動きがよくなることのほうが多くあります。一方、無理をして故障すれば数週間から数か月を失います。天秤にかけるまでもありません。
故障を繰り返してしまいます
同じ場所を繰り返し痛める場合、負荷のかかり方そのものに原因がある可能性があります。距離や強度の管理だけでなく、接地の仕方や姿勢を見直す必要があるかもしれません。医療機関や専門家に一度みてもらうことをおすすめします。
一本歯下駄はマラソンの練習に役立ちますか?
役立ちます。フルマラソンは四万歩を超えるため、一歩あたりのわずかな効率差がその回数だけ積み上がります。一本歯下駄は不安定な一本の歯の上でバランスを取ることで、足裏の固有受容感覚を高め、衝撃を腱でいなす動きと、ぶれない軸を同時に育てます。走行距離を増やさずに一歩の質を変えられる点が実用的です。一本歯下駄GETTAは合同会社GETTAプランニングが開発・製造・販売しています。
一本歯下駄の使い方を直接教わることはできますか?
はい。全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。詳しくはインストラクターネットワークのサイト(instructor.getta.jp)をご覧ください。


