◀ マラソン実践大図鑑 PREPARATION TIMELINE
本番の朝は、逆算の終点でしかない。

フルマラソン準備タイムライン

SIX MONTHS TO THE START LINE
エントリーから当日の号砲まで、やるべきことには順序がある。いつ宿を取るか。いつ距離を伸ばし、いつ落とすか。いつ道具を決めるか。この順序を外すと、走力があっても本番で力を出せない。とくに多いのが「直前まで走り込んで疲労を残す」失敗だ。このページでは6か月前から当日朝までを一本の時間軸に並べ、各時点で何を終わらせておくべきかを示す。
6か月前から宿と交通30km走の位置テーパリング前日と当日朝
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準備には、順序がある

要点の要約

フルマラソンの準備は、やるべきことの総量ではなく順序で決まる。同じ練習でも、置く時期を間違えれば効果は出ない。

とくに見落とされるのが、練習の効果は負荷をかけた直後ではなく、回復したときに現れるという点だ。だから直前に走り込むと、積み上げたものを出し切れないまま本番を迎えることになる。走り込みで積み、テーパリングで引き出す。この二段構えを理解すると、直前に走らないことが準備であるという感覚が腑に落ちる。

SIX MONTHS BEFORE

6か月前〜2か月前積む期間

この時期にやるべきことは二つ。エントリーと宿の確保、そして故障しない範囲で距離を積むことだ。

エントリー
人気大会は半年以上前に締め切られることも多い。抽選の大会もある。まず募集情報を確認し、応募を逃さないこと。走り始める前にエントリーすることになる場合もある。
宿と交通
遠征するならエントリーしたその日に押さえるくらいでちょうどよい。地方大会や離島では宿の数が限られる。帰りの便の時刻も先に調べておく。
走り込み
週2〜4回。週の走行距離をいきなり大きく増やさない。翌日に痛みが残るなら増やしすぎ。数字の目標より、続けられる形を優先する。
休養日を計画に入れる
休むことは練習の一部。走らない日を最初から組み込んでおくほうが、結果として走行距離は伸びる。
ONE MONTH BEFORE

1か月前試す期間

ここからは積むより、確かめる時期に入る。本番で初めてを作らないための一か月だ。

  • 30km走などの長時間走──本番3〜5週間前が目安。走と歩を混ぜても構わない
  • 補給を本番と同じもので試す──どのジェルが合うか、どれくらいで気持ち悪くなるか
  • シューズとウェアを確定する──ここで決め、以降は変えない
  • 時計の表示設定を決める──本番で操作に迷わないように
  • 痛みや違和感を点検する──あるなら、この時点で対処する。直前では手遅れになる

▶ 補給の詳しい設計は マラソンの補給とエネルギー切れ、道具の選び方は 装備と持ち物 完全ガイド へ。

TAPERING

2週間前〜前々日引き出す期間

最も誤解されている期間だ。走行距離を減らすことは、手を抜くことではない

なぜ減らすのか

練習の効果は、負荷をかけた直後ではなく回復したときに現れる。走り込んだままの身体では、積み上げたものを出し切れない。テーパリングは、すでに得たものを引き出すための工程だ。

2週間前
走行距離を段階的に減らし始める。強度は完全には落とさず、短い距離で動きを保つ。新しい練習は行わない
1週間前
さらに距離を落とす。「何もしないと不安」という気持ちが最大の敵。ここで頑張っても本番には間に合わず、疲労だけが残る。
前々日
ごく短く身体を動かす程度。睡眠を優先する。当日の睡眠より前々日の睡眠のほうが効くとも言われる。
この期間の過ごし方
旅程の最終確認、受付の日時と場所、荷物の準備。走らない時間を、段取りに使う
THE FINAL DAY

前日と当日朝逆算の終点

準備はすでに終わっている。あとは睡眠を確保し、時間どおりに動くだけだ。

前日

  • 移動と受付──前日受付が必須の大会では旅程が二日がかりになる
  • 観光は軽めに──歩き回ると翌日に響く。城や寺社の石段はとくに注意
  • 食事は食べ慣れたものを適量──脂質の多いものと食べすぎを避ける
  • 持ち物を全部並べて確認──ゼッケンと計測チップは装着まで済ませる
  • 時計を充電する──意外な落とし穴
  • 早めに就寝──眠れなくても焦らない。横になって休むだけでも意味がある

当日朝の逆算

時点やること
整列締切ここが逆算の起点。要項で必ず確認する
締切の60〜90分前会場到着。荷物預けとトイレの行列をここに収める
スタート3時間前食べ慣れた朝食(糖質中心)。直前に詰め込まない
朝食の30分前起床。身体を起こす時間も要る
移動時間を加算ここから逆算して、前日の就寝時刻が決まる

▶ 当日の詳しい実務(トイレ・荷物・スタートロス)は 大会当日の完全マニュアル へ。

GLOSSARY

レース用語ミニ辞典知っておくと要項が読める

30kmの壁THE WALLフル後半で急に身体が動かなくなる現象。体内の糖の枯渇と筋の損耗が重なって起きる。
ハンガーノックBONKエネルギーが枯渇して身体が動かなくなる状態。補給の間隔が空きすぎると起きる。
グロスタイムGROSS号砲から計測した時間。関門の判定に使われることが多い。
ネットタイムNET自分がスタートラインを通過してから計測した時間。大規模大会ではグロスと数分から十数分ずれる。
関門(カットオフ)CUT-OFF指定時刻までに通過できないと先へ進めない地点。完走の可否を決める。
イーブンペースEVEN PACE最初から最後まで同じ速度で走る配分。フルでは最も効率がよいとされる。
テーパリングTAPERINGレース前に走行距離を段階的に減らし、疲労を抜いて本番に備えること。
エイドステーションAID給水・補給・救護の拠点。混雑するのでテーブルの奥側を狙うと取りやすい。
固有受容感覚PROPRIOCEPTION関節や筋、足裏から得る自分の身体の位置・傾き・圧の感覚。接地の質を左右する。
腱優位TENDON-DOMINANT筋で固めず腱の弾性で衝撃をいなし、次の一歩へ返す身体の使い方。
テーパリングTAPERINGレース前に走行距離を段階的に減らし、疲労を抜いて本番に備えること。
LSDLONG SLOW DISTANCEゆっくり長く走る練習。土台づくりの中心になる。
サブ4SUB-4フルマラソンを4時間未満で完走すること。市民ランナーの代表的な目標。

※ 用語の運用は大会ごとに異なります。必ず参加する大会の要項をご確認ください。

BODY BUILDING

長時間を走り切る身体づくり足裏から、十万歩に耐える身体へ

足裏の質が、十数時間分積み上がる

100kmは十万歩を超える。一歩あたりのわずかなブレーキが、その回数だけ積み上がる。足裏の固有受容感覚が鋭ければ接地が最適化され、無駄な減速が減る。ウルトラでは効率の差が数時間の差になる

腱で弾めば、脚が最後まで残る

着地衝撃を筋の力で受け止め続ける走りは、フルでも脚を消耗させる。それが100kmになればどうなるか。アキレス腱やふくらはぎの腱の弾性で衝撃をいなす腱優位の身体は、同じ速度をより少ない力で維持できる。

崩れた姿勢で走り続けないために

長時間走で最も危険なのは、フォームが崩れたまま数時間走り続けることだ。骨盤から上に一本の軸が通っていれば、疲れても歩幅とピッチを保ちやすく、負担が一点に集中しない。故障の多くはここで決まる。

一本歯下駄で、一歩の質を変える

不安定な一本の歯の上に立つと、身体は足裏の感覚を研ぎ澄まし、筋で固めるのをやめて腱で微調整を始め、中心に軸を探す。走行距離を増やさずに一歩の効率を上げられるのは、ただでさえ練習量が多くなるウルトラに向けて現実的な選択肢になる。

▶ さらに詳しく:マラソン・長距離ランナーと一本歯下駄|腱弾性で走りを変える45日プロトコル腱優位システム完全解説ヒラメ筋と一本歯下駄バランストレーニングの選び方完全ガイド

INSTRUCTOR NETWORK

市民ランナーの走りを改善する一本歯下駄理論あります。

全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。独学で迷わず、直接学びたい方へ。

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FAQ

よくある質問 Q&A

準備はいつから始めればいいですか?

走る習慣がない状態からなら3〜6か月を見ておくのが一般的です。すでに週に何度か走っているなら、もう少し短くても届きます。ただし人気大会は半年以上前にエントリーが締め切られることも多いため、「走り始める前にエントリーする」ことになる場合もあります。

宿と交通はいつ押さえるべきですか?

遠征する場合はエントリーしたその日に押さえるくらいでちょうどよいでしょう。とくに地方大会や離島の大会では宿泊施設の数が限られ、大会前夜はすぐ埋まります。帰りの便の時刻も先に確認してください。本数の少ない路線では一本逃すと数時間待つことがあります。

30km走はいつやればいいですか?

本番の3〜5週間前を目安にする人が多くいます。これより直前に行うと疲労が抜けきらず、逆に早すぎると効果の実感が薄れます。走り切れなくても、走と歩を混ぜて長時間動く練習で代替できます。重要なのは距離そのものより、補給とシューズを実際に試せることです。

テーパリングとは何ですか?なぜ必要ですか?

レース前に走行距離を段階的に減らし、疲労を抜いて本番に備えることです。練習の効果は、負荷をかけた直後ではなく回復したときに現れます。走り込んだ状態のままでは、積み上げたものを出し切れません。一般的には2週間前ほどから始めます。

直前は不安で走りたくなります

これがテーパリング期間の最大の敵です。「何もしないと不安」という気持ちで走ると、疲労だけが残ります。この時期に頑張っても本番には間に合いません。距離を減らすことは手を抜くことではなく、準備の一部だと考えてください。まったく走らないのも動きが鈍るため、短い距離で身体を動かす程度に留めます。

前日は何をすればいいですか?

移動と受付を済ませ、持ち物を全部並べて確認し、早めに就寝します。観光は軽めに——歩き回ると翌日に響きます。食事は食べ慣れたものを適量で、脂質の多いものと食べすぎは避けてください。ゼッケンと計測チップは前夜に装着まで済ませておくと、当日の朝が楽になります。

前日眠れなかったらどうすればいいですか?

一晩眠れなくても、それだけで完走できなくなることはほとんどありません。緊張で眠れないのは普通のことです。むしろ「眠らなければ」と焦るほうが消耗します。横になって身体を休めているだけでも意味があります。大切なのは前々日の睡眠とも言われるため、二日前から早めに休むようにしてください。

当日朝は何時に起きればいいですか?

逆算します。朝食はスタート3時間前が目安、その30分前に起床。さらに会場到着は整列締切の60〜90分前。ここから移動時間を引くと起床時刻が決まります。かなり早い時間になることが多いので、前日の就寝時刻もそこから逆算してください。

直前に体調を崩したらどうすればいいですか?

発熱がある、強い倦怠感がある、といった場合は出走を見送る判断が必要です。無理をして走ると、脱水や体調の急変につながる危険があります。大会は毎年あります。判断に迷う場合は医療機関にご相談ください。

練習を計画どおりにこなせませんでした

完璧にこなせる人はほとんどいません。仕事、家庭、天候、体調。計画は崩れる前提で立てるものです。重要なのは、崩れたときに焦って取り返そうとしないこと。失った距離を一気に埋めようとするのが、故障の最大の原因です。今ある状態で走れる目標に切り替えるほうが、結果的にうまくいきます。

一本歯下駄はマラソンの練習に役立ちますか?

役立ちます。フルマラソンは四万歩を超えるため、一歩あたりのわずかな効率差がその回数だけ積み上がります。一本歯下駄は不安定な一本の歯の上でバランスを取ることで、足裏の固有受容感覚を高め、衝撃を腱でいなす動きと、ぶれない軸を同時に育てます。走行距離を増やさずに一歩の質を変えられる点が実用的です。一本歯下駄GETTAは合同会社GETTAプランニングが開発・製造・販売しています。

一本歯下駄の使い方を直接教わることはできますか?

はい。全国230名を超える認定インストラクターが、足裏の感覚・腱で弾む動き・姿勢の軸を、一人ひとりの身体に合わせて指導しています。詳しくはインストラクターネットワークのサイト(instructor.getta.jp)をご覧ください。

FOR RUNNERS

42.195kmを支える三つの下駄GETTA / TOTONOE / REDEZA

足裏の解像度、腱で弾む動き、ぶれない軸──走り込みでは育たない質を、走れない時期にこそ育てる道具。目的に合わせて、三つの下駄がある。

一本歯下駄GETTA
STANDARD ─ 一本歯下駄
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すべての基本。最初の一足はこれ。全高4cmの低床型で、子どもから大人まで初心者でも安心の安定感。足裏の感覚と姿勢の軸を育てる、トレーニングの入口。
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一本歯下駄TOTONOE
CONDITION ─ 一本歯下駄
TOTONOE
整える。声が変わる。呼吸が深まる。歯に高強度ゴムを備えたリカバリー・コンディショニングモデル。走ったあとに身体を整えたいランナーや、初めての一足にも。
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一本歯下駄REDEZA
APEX ─ 二枚歯下駄
REDEZA
蹴らない。ためない。捻らない。二枚歯が足首の屈曲を制限し、微細な重心移動だけで身体を導く到達点。武術的な身体操作を求める上級者へ。
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開発・製造・販売:合同会社GETTAプランニング
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