岩隈久志投手は何が凄いのか?キレのあるボールの投げ方

今年、メジャーリーグでノーヒットノーランも達成し来年の活躍が楽しみな選手といえば岩隈久志投手です。

今回はマリナーズと最大3年55億円の契約を結んだ岩隈投手は何が凄いのか、そこからみえてくるキレのあるボールの投げ方について書いていこうと思います。

「プロ野球選手になる」という強い気持ちを持った高校生、大学生の投手を指導する時に大切にしていることが球速よりも最初はボールの質を上げていくことです。

130キロ後半から140キロ前半のボールを投げる彼らの球質は一ヶ月で大きく変わっていきます。

一ヶ月後に選手に変化について質問をすると
「全力投球での最高球速を軽く投げる感覚でどんどん投げられるようになった(球速は変わらない)」という答えが返ってきます。

こうした投球の余裕がキレとコントロールにつながり、球速はトレーニングとともに伸びるようになっていきます。

岩隈投手の凄いところはこの投球の余裕を球速150キロをこえる高い次元で備えているところです。
軽く投げる感覚で最高球速を出すことが出来る。
これがキレ、スピード、コントロールを高いレベルで持つ岩隈投手の凄さの秘訣です。

岩隈投手といえば上体に関していうとうちわトレーニングを誰よりも欠かさず積み重ねてきた選手です。

このローテーターカフの動きを向上させるトレーニングがムチのようにしなる腕をつくり、キレのあるボールを生み出す上体においての原動力の一つとなっています。

そして今回言及したいのは何よりも岩隈投手の投球フォームにおける立ち方です。

岩隈久志

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真1)
実は岩隈投手の投球フォームは腸腰筋を常に使い、鍛えていくことができる投げ方をしています。

桐生選手が練習すればするほど足が速くなる動きをしていたように岩隈投手もまた、投げれば投げるほど投球能力があがる投げ方をしていたのです。

 

近鉄時代の投球フォームが特にわかりやすいかと思います。

岩隈久志 近鉄時代

 

 

 

 

 

 

 

(写真2)
他の多くの投手が軸足の真ん中を軸にして立つ所を腸骨筋を軸にしたかたちで腕を下に降ろして近鉄時代の岩隈投手は最初のポジションを取ります。
またこのポジションにて軸足の逆足を上げ下ろしすることは腸骨筋を刺激していくのでその後の岩隈投手の活躍に納得がいきます。

岩隈投手のように腸骨筋が使えている投手は踏み出した足の膝が内側にロックされて流れにくい所も特徴です。

 

これが投球のフィニッシュの形につながり、ボールのキレにもまたつながっていきます。

 

岩隈投手

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真3)

 

冒頭のプロ野球を目指す高校生、大学生投手達が一ヶ月目に取り組んだトレーニングも普段のトレーニングにCの字足振りをはじめとした腸骨筋を鍛えていくトレーニングをたしただけです。

その後、肩甲骨、股関節周り、体幹の連動性をあげていくトレーニングをしていくことで球速をあげていきます。

投球におけるボールのキレをあげるというと手首や指先でのスナップ、ボールに伝える回転数のイメージがどうしても強いですが、「軸足の押す」「踏み出す足の受け取る」という部分に大きく関係してくる腸骨筋もまた、ボールのキレにおいてとても大きな役割を担っていると思われます。

 

2018年に入る少し前からお世話になっている小波津先生が松坂大輔選手のトレーニングと理療のサポートをするようになり、伺ったところやはり松坂選手の問題は肩以上に腸骨筋をはじめとした下半身だったようです。




 

 

小胸筋、腸骨筋トレーニング実践編

これまでオリンピックもふまえていくつかの角度から書いてきた小胸筋、腸骨筋への視点やそのトレーニングを生み出していく過程は中学生の時、「投げる」という行為それだけで小学生の時には絶対的に自信のあった夢は、叶わない夢へと変わってしまったところからはじまっている。

当時巨人の清水選手、横浜の鈴木尚典選手、阪神の赤星選手をはじめ、プロという最高峰の環境にいるプロ野球選手でも「投げる」という行為を克服出来ていない事実からインナーマッスルのトレーニングをはじめその当時のトレーニングや理論に答えはないと考えたし、実際になかったと思う。

それまで人生の中心だったものに絶望しきった中学3年生の時にバッテイング指導をした先輩の人生が甲子園で輝いたことが大きく背中を押す形で「自分がそのためのトレーニングや理論をつくることで自分のような形で夢をあきらめる子どもや選手が出ないことに人生を生きよう」と決めた。

「自分達の世代よりも次の世代が希望に向かっていける社会」のイメージが自信を確信、そして覚悟へとかえていく。

そうした中で「投げる」という行為においてインナーマッスルでないのならば本当に関係しているところは何処なのかをみつけることが最初のテーマだった。

ちょうどその頃、一番下の弟が野球をはじめたいといった時、両親も肩があまり強くない家系だったので「投げる」ことだけでも自分のように苦労しないようにとトレーニングメニューを組み立てた。

10分以内でできるメニューとしてがに股素振りで内転筋群を刺激し、剣道の竹刀の先端に重りをつけて上下の素振りをすることで肩周りと背筋群を刺激し、その後に重いラケットから徐々に軽いラケット、なげるーんでのシャドーピッチング、パワースラッガーから竹バット、通常バット、軽いバットと重さを連続性の中で変えていく素振りという風にキューバ式をとった。

14年前からそこにゴムチューブでの捻転方式での腸腰筋メニューを加え、

12年前からは胸を中心としたアプローチに気づき考案したのがケトルベルと高さを加えたポールによるリンク動画のトレーニングだった。そしてこれが絶大的な効果を実感できた。

 

 

…………
ポール、ケトルベルメニューとしては
チェスト
バンザイ(Gポジション)
上下

12回ごと
回転10回時計回り反時計回り
チェスト 限界まで
これを2から3セットがオススメです。
…………

その半年後高さを加えたポールにケトルベルではなく高さを加えたポールにPNFと初動負荷的要素を加えた方法もはじめるようにし、
時期を同じくして竹刀に重りをつけたトレーニングの際には一本歯下駄を使いはじめた。
(この二つは確かなトレーニングとして僕自身の指導現場で11年間ずっと続けてきている。)

本当は中日の浅尾投手が大学時代に120キロの球速を150キロまであげたトレーニングのポイントである縄跳び二重跳び90回の複数セットを一本歯下駄で行うメニューもいれたがそれは実践されなかった。
(ただ球速で悩んでいる選手やお子さんには今でもオススメなのがこの二重跳びのトレーニングです)

特にポールケトルベルと剣道素振りとの相乗効果が高く、僕が高校を卒業する頃、小学生の弟はソフトボール投げ73m、球速120キロ中盤の「投げる」力と1500m走4分25秒の持久力を獲得していた。
(参考までに ダルビッシュ投手、田中将大投手の小学生時代のソフトボール投げの記録は60m台、高校生のスポーツテストにおいて1500m走5分を切れば満点になる)
多少サーキット式になっているとはいえ、走り込みもそれほどしていないのに4分25秒で走れるという事実が走ることと胸郭へのアプローチの関係性のヒントとなっていった。

大学入学前「投げる」能力をどうしたらあげることが出来るのかという「解」、疲れずに走るための仮説が自分の中でうまれたことが生き方への自信となった。

こうして自分の中で小胸筋へのアプローチの基礎が出来上がった。

基礎が出来たものの問題は僕が大学進学で実家の静岡から離れてからおこった。

僕の投球フォーム指導の基盤は和田毅投球と岩隈久志投手を足して2で割ったようなものだったが僕が不在の上でチーム指導者の指導を受けた弟は自分の投げ方を見失っていった。

「投げる」能力をつくる部分と安定させ、自分のものにする部分は違った。だからこそ渇望したのはフォームやモーションを理想に導くものは何か、そのためのフィジカルトレーニングは何なのかというものだった。

フォーム指導では特にジュニア期の選手において手が離れた際に壁にぶつかってしまう。

選手の未来が指導者に依存する割合が高い。そこを変えたかった。

フォームをつくるもの、キレをつくるもの、安定感をつくるものは何なのか。
「投げる」の次はそこがテーマとなった。

ただ結局弟が選手としてプレーをしているうちにその「解」はみつけることが出来なかった。

それでも壁にぶつかった選手や子ども達の「希望」となる「解」を現場で求め続けた結果、辿り着いたのがフォームをフィジカルトレーニングで導いていくものとして腸骨筋へのアプローチだった。

フォームをつくるのもキレをつくるのも安定感をつくるのも大きな鍵となるのが腸骨筋だった。

和田毅投手のようにグローブ側の手を伸ばした状態をながくキープすることが出来るようになることで身体のオート機能を使った理想的なフォームをつくるための筋肉が腸骨筋だった。

ノビのあるボールを投げるために必要な腸骨筋がフォームの安定性そのものをつくり、走る、投げる、打つの全てにおいて一流選手の共通項である背中のしなり、立体感につながっていく。

今なら例え直接的なフォーム指導をしなくても、それこそメールのやり取りでトップ選手でもジュニア選手でも理想なフォームや動きに導くことが出来る。

それが今、心の底から嬉しい。

道具なしでの腸骨筋へのアプローチは動画の三日月状足振りで実践できる。

ただ今まで僕が実施する小胸筋への効果的なアプローチはそれなりの道具や場所を必要とし、腸骨筋へのアプローチは地味なトレーニングを継続できるとても強い精神力が必要なのは確かだと思う。

どんなに優れた本や論文、理論があってもけっして子ども達の環境に届かない、優れた指導者と出会える子どもや選手は少ない、そういうことをずっと地域格差なく変えたかった。

そしてそれは都市部であれ地方であれ関係なしに家庭にも学校にも馴染むことが出来るプロダクトなら実現できる可能性があると僕は信じ続けている。

本や論文、理論書を読まない層にもプロダクトを通して理論を伝えることができ、子ども達、選手達の環境を変えていくことができる。

そのアイテムとして販売しているのが一点歯下駄です。一点歯下駄は履いてのトレーニングは勿論のこと手につけてのトレーニングにもおススメです。
どこにでも持ち運べて場所をとらないプロダクトであり、多くの人が馴染みのある腕立て伏せで小胸筋をはじめとした胸郭にアプローチでき、ランニングやアジリティートレーニングという日々の中に取り入れやすいトレーニングで腸骨筋にアプローチできる一点歯下駄KOZIRO http://shop.getta.jp で発売中です。

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