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人はなぜ転ぶのか?〜その1

一本歯下駄を履いてのスロージョグ

ランナーで転倒経験者は少なからずおられることであろう。

擦り傷程度で済めばいいけれど、骨折等で入院加療が必要になると大変だ。

障害が残ったりしたらなお大変。できるなら転ばない方がいい。

転ばぬ先の杖…と言われるが、転ばないようにするにはどうすればいいのか?

そのために、「人はなぜ転ぶのか?」というテーマについて語ってみたい。

一本歯下駄を履いていてももちろんだけど、シューズを履いていても転ぶだろうし、アスファルトの平らな道でも、凸凹のある山のトレイルでも、転ぶべき時に人は転ぶ。

なぜ人は転ぶのか?

よくよく考えてみれば、四本脚の動物と比べて、二本の脚で直立歩行すること自体が不安定極まりないということ。

車だって車輪が4つあるがゆえに、自転車やバイクなどの二輪車よりも安定がいい。

9月に自転車で坂道を降っていて落車事故を起こした。

前に進んでいくパワーが不安定な二輪走行を安定させてくれていたハズにもかかわらず、後ろから大型トラックが接近してきて、狭い車道から歩道に上がろうとした矢先に、段差に乗り上げ後輪が持ち上がり、僕は顔からアスファルトの歩道に叩きつけられた。

正確には左側の額(眉の上)から着地、鼻から口の上部が路面に擦り付けられ激しく出血。

幸い骨折もなく、頭の方もスキャンして異常なし。

転倒した時の痛みよりも、脳神経外科で額を5針縫った時の方が痛かった(笑)。

歩いていても走っていても自転車に乗っていても、バランスを崩して人は転ぶ。

転ぶ際には、重心に対する意識が失われる。

重心がどこかに行ってしまったと錯覚するのだろう。

今朝方、一本歯下駄で走っていて、段差で転びそうになった。

その瞬間、つまずいた方とは反対の足で地面を蹴って宙に舞い上がった。

空中でバランスを整え直して再び着地…転ばずに済んだ。

咄嗟(とっさ)のできごとではあるのだけれど、ふだん一本歯下駄で歩いたり走ったりしていると体はそんな風に対応できるようになるのだということを教えられた。

転びやすい人の特徴がいくつか考えられる。

年齢で言うと高齢者。足が弱っていて、一旦転ぶと大怪我につながる場合が多い。

加齢に伴い、全身、特に下半身の筋肉が落ちてくると転びやすくなると言われる。いわゆるロコモーティブ・シンドロームだ。

たとえば、大腿の筋肉が減少すると膝を上げる力が弱くなって、ほんの少しの段差でさえ越えるのが難しくなる。

ふくらはぎの筋肉が落ちると血液の流れが悪くなり、足にむくみが生じて足が重くなるらしい。その結果、歩行が困難になり、つまずきやすくなる。

すねの外側の筋肉が落ちてくると、つま先が路面に引っかかりつまずきやすくなる。

特に脚の筋肉が減少してしまうと、足を上げる力も低下し、すり足状態で歩く傾向になる。足を蹴り出すこともままならず、そのせいで路面の突起や障害物がないところでもつまずきやすくなる。

ただ、若い人でも、油断はならない。いろんな転倒事故が日常起こっているのだから。

運動不足が元で、姿勢が悪化するというのが最近よく言われる。

デスクワークでパソコン、あるいは日常茶飯事のようにスマホや携帯電話を覗き込むようにしている人たちは、ストレートネックが問題になっている。

姿勢の悪化で背筋が減少し、猫背族が増えている。

勝手に猫背族と呼んでいるけれど、この人たちは重心が前方に傾きがちで歩くのが特徴。

この状態では足を持ち上げにくくなり視点も下るため、つまずいたり転倒したりしやすくなる。

姿勢が悪い事で慢性の肩凝りや腰痛、歩き方にも癖が出てきて膝痛も生じる。

これらすべては近代文明が引き起こしたものと言える。100年前の生活では考えられなかったことばかりではないだろうか。

ヒールを履いた女性、酔っ払った人、ポケットに手を突っ込んで歩いている人、考え事をしている人、何かに気を取られている人、スマホや携帯を見ながら歩いている人、急いでいる人…

は転ぶ可能性が高い。

雪道、凍結した路面、雨で濡れた鉄板の上など路面の状況にも気をつける必要がある。

一本歯下駄でトレイルジョグ

(つづく)

勝彦高繁

走る旅人:「PEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅」を走るアドヴェンチャー・ランナー、サイクリスト(JACC=日本アドベンチャーサイクリストクラ...

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