宮崎要輔ブログ

一本歯下駄とすり足動作

一本歯下駄とすり足動作
この4年間能楽師の大江さんとの何気ないランチタイムは僕にとって仮説を一つ一つ検証していきながらそこから新たな仮説を生み出したり、トレーニングや理論を構築していく時間になっています。

ウサインボルトやタイソンゲイのトップスピードの時の腰の入り方や骨盤のポジションと能楽師が舞台に立つ時の腰の入り方、骨盤のポジションは非常に近い。

対してこの20年黒人選手と日本人選手のスプリント能力の差の理由の一つとして骨盤の前傾、後傾をいわれてきた。

ただ、能をはじめ日本の伝統芸能の分野においてその骨盤のポジションを日本人はそのいっときほぼ同じ状態にしている。

ここに今後のプレイヤーの可能性がある。

そうした部分を何気ない会話の中からすり合わせていく。

時には僕の持っている丹田への力の入れ方を大江さんにお伝えすることで能の指導現場、伝統芸能の現場でも確かなものなのかを検証してもらう。

「先日の方法、力の入り方を伝えるのにとても重宝していますよ」といってもらった日には僕の指導現場での導入率もあがっていく。

Aの仮説からBの仮説、Cの仮説でなければDかもしれないということが何気ない会話からたくさんひろがっていく。

能のすり足をする時は骨盤が立つ、この時大腰筋と腰の力の入り方はかなりのものになる。

では能楽師の方々は腰痛がないかというと腰痛は結構あるらしい。

こうしたところからも大腰筋だけでなく、腸骨筋へのアプローチもいれないと筋肉は緩まないこと、緊張させた腰への解緊の必要性もみえてくる。

まわりの能楽師さんの歳の取り方から生徒さんの変化の質問から色んな仮説もふくらませていく。

面をつけて舞台に立つとき、視野は極限までせばまり遠近感といった距離感をつかむ能力に誤作動が起き平衡感覚が崩れるからこそ視覚ではなく足裏で感じ取ることで見渡す。
木目を足裏で感じ取ることで自分の立ち位置を把握する。

それでいて客席の人々に「自分と舞台にいるモノは別物」として認識されるように生身の人間になってはいけない。

能の話を聞けば聞くほど荒川修作や西岡常一といった人々のの世界観と色んなところがリンクしていって本当に愉しい。

10月1日にはそんな大江さんを人口80人の京都の秘境多久にむかえて能についてのワークショップと囲んでの食事をします。

自然の中で死生観とも密接にリンクする能に親しむことで感じることを共有できればと思います。

 

 

https://www.facebook.com/events/1764595093799253/?ti=icl

【速く走るには何故一本歯下駄がいいのか】
 
子供の頃に1度は言われたことがあるかと思います。

「力んで走ると遅くなってしまうよ!」
 
 
では、そもそも何故,力むことで脚が遅くなってしまうのでしょうか?
 
 
それは、筋収縮と伸張のタイミングがめちゃくちゃになってしまうためです。

いわゆる共縮と呼ばれるものです。
 
筋肉は主動的な働きをする筋肉(主動筋)と
その働きに対して拮抗する筋肉(拮抗筋)の存在があります。

一流のスポーツ選手の筋電図を見てみると主動筋の収縮と拮抗筋の伸張のタイミングはシンクロします。
 
動物の身体は本来、主動筋が収縮するタイミングで拮抗筋が伸張する関係性があるのです。

そのため、ダイナミックに動くことができますが、力むことでこの関係性が崩れてしまいます。
 
腕で例えると力こぶを作ったままで肘を伸ばす行為になります。
共縮は動きを大きく制限してしまいます。

この共縮が起こるのにも起点があるのですが、それは人によって異なります。
 
ある人は大腿四頭筋が力むことで股関節伸展の際にハムストリングスと共縮を起こします。

ある人は背面(脊柱起立筋群)が力むことで体幹の前面も固めてしまいます。
 
ある人は上腕三頭筋が力むことで腕が伸展気味になってしまい、腕振りに支障をきたします。

普段から力みが生じやすい筋肉が起点になりやすいです。
身体のどこかで主動筋と拮抗筋の収縮/伸張のタイミングが崩れると、全身にその影響が波及してしまいます。

厄介なことに動きの中で生じた共縮を解除することは至難の技です。

闇雲にトレーニングを行うことでパフォーマンスを落とす事例は後を絶ちません。
ただ目的とする動きに必要な筋肉を付けるだけではなく、その筋肉が優位に働きやすい環境作りをすることで大きな成果を得られます。

効率の良いパフォーマンスアップのためには、

・目的とする動きに必要な筋肉を付けること

・その筋肉が優位に働きやすい環境作りをすること

・力みが生じやすい筋肉を自覚し、その筋肉の緊張を取ること

が必要になります。
 
走りにおいてだけでなく、大きな動きを伴う全ての動きで優位に働かせたい筋肉は大腰筋になります。
大腰筋を優位に働かせるためには、人体で最大の体積を誇る大腿四頭筋を劣位に働かせる必要があります。

そうした中で無意識にそれが実現できるのが一本歯下駄です。

そのなかでも一本歯下駄GETTAは通常の一本歯下駄ではコツが必要な伸張反射の部分が踵を踏むことでできるのでより実践的なトレーニングが可能です。

それだけでなく、高さという面でも競技の時により近いという部分も大きなポイントです。

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